神経内分泌腫瘍
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PHNET
! 1958年にEdmondosonが初めて報告
* 肝臓 54巻2号 152-160 (2013) 石灰化を伴ったPHNET * 肝臓 56巻10号 526-532 (2015) 拡張胆管の貫通を病変内に認めたPHNET * 肝臓 57巻8号 397-404 (2016) AFP-L3増加を呈した肝原発神経内分泌癌の1例 * 肝臓 61巻3号 122-128(2020)肝細胞癌治療経過中に併発した症例
! 肝原発NECは、肝内胆管にあるhepatic stem cellから発生するや肝悪性腫瘍細胞のstem cell precursorが神経内分泌分化するなどが考えられている。
○ Neuroendcrine tumor; NET
神経内分泌腫瘍を疑うため、クロモグラニンA、シナプトフィジン、CD56をおこないました。WHO分類に基づいた診断のためにKi67の免疫染色を追加しました。治療効果予測のためSSTRを追加しました。
○ NET; neuroendocrine tumor,G1 (WHO 2010分類).
○ NET; neuroendocrine tumor,G2 (WHO 2010分類).
○ NET; neuroendocrine tumor,G3 (NEC) (WHO 2010分類).
○ Mixed adenoneuroendocrine carcinoma (MANEC).
シナプトフィジン70%以上陽性でKi67 indexは10%です。クロモグラニン陰性です。以上よりWHO2010分類で神経内分泌腫瘍,G2です。/// pTNM(AJCC/UICC)はCD31,D2-40より脈管浸潤を評価しました。脈管浸潤なし,切除断端陰性です。SSTR (somatostatin receptor) subtypesは2A,2Bともに発現しておらず,オクトレオチドの臨床的効果は期待できないと考えます。
免染レベル1:MIB-1,シナプトフィジン,クロモグラニン
免染レベル2:CD56 (→シナプトフィジン,クロモグラニン陰性のとき追加)
免染レベル3:CD31,D2-40 →脈管浸潤評価 ,SSTR →治療効果予測
シナプトフィジンが感度が高く,副腎皮質の網状層細胞でも陽性になるなど特異度が低い
クロモグラニンは特異性は高いが感度が低い
どちらかが70%以上を越えるために神経内分泌腫瘍と規定されます。
WHO 2010分類に基づき,Ki67病変内のhot spot (陽性の多い領域で500~1000個数える)において,
Ki67(MIB-1) indexは2%以下であり,NET G1に分類されます。
Ki67 indexは5%程度で3~20%の範囲のため,NET G2に分類されます。
Ki67 indexは50%と高値で20%を越えるため,NET G3 (NEC:neuroendocrine carcinoma)です。
→小細胞癌(small cell carcinoma)やLCNEC(large cell neuroendocrine carcinoma)との鑑別は困難です。
→クロモグラニンは分化度が低くなると陽性度が低下するため矛盾しません。シナプトフィジンのみが陽性のため,転移性腫瘍やSPN,SCN,acinar cell carcinomaなどの他の腫瘍の可能性について検討が必要です。
内分泌主要成分と外分泌腫瘍成分が混在し,外分泌腫瘍成分は全体の50%程度です。全体の30%以上及び70%以下のため,Mixed adenoneuroendocrine carcinoma (MANEC)と考えます。
pTNM分類は---です。ENETSのTNM分類で評価しました。AJCC/UICCのTNM分類で評価しました。
SSTR (somatostatin receptor) subtypesは2A,2Bともに発現しておらず,オクトレオチドの臨床的効果は期待できないと考えます。
CD31,D2-40より脈管浸潤を評価しました。
* 肝臓 57巻8号 397-404(2016) AFP-L3増加を呈した肝原発神経内分泌癌の1例 → AFP陽性でもNECを否定できない(かも)。
* 肝臓 61巻3号 116-121(2020) B型肝炎経過観察中に診断されたHCCとの鑑別が困難な1例 → 腫瘍が小型の場合、画像所見がHCCと同じになる可能性がある(画像的に鑑別困難となる)。