急性肝炎
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Acute hepatitis
診断.icon
Acute viral hepatitis A,focal necrosis type (classical type)
Acute hepatitis,probably drug-induced hepatitis, zonal necrosis type
所見.icon
肝小葉内では肝細胞の腫大,好酸体,巣状壊死,帯状壊死,類洞内へのリンパ球浸潤を認めます.Kupffer細胞の腫大と増加,色素貪食細胞の出現を認めます.小葉全体の肝細胞が脱落しています。
水腫様変性(淡明化)hydropic change→融解壊死lytic necrosis→濃縮coagulative necrosis
肝細胞の再生像である,小型で淡明な肝細胞の集団や大小不同,核分裂像がみられます.
肝小葉での肝細胞を中心とした壊死炎症反応がびまん性に認められます。
門脈域ではリンパ球,組織球,色素貪食細胞の浸潤を認めます.
主に巣状壊死focal necrosisを認め,古典型急性肝炎と考えます.
架橋形成型壊死bridging necrosis,癒合壊死型confluent necrosis,といえます.
肝小葉炎lobular hepatitisが小葉中心性に目立ち,極期florid phaseと考えます.
少数の肝細胞壊死巣,色素貪食細胞,肝細胞の再生像を認め,回復期convalescent phaseと考えます.
肝小葉中心部の打ち抜き壊死が目立ちます,薬剤性やAIHを示唆する所見です.
好酸球,胆管障害,脂肪沈着,肉芽腫などが目立ちます,薬剤性を示唆する所見です.
肝組織中にオルセイン染色で陽性を示すHBsAgのスリガラス封入体を認め,B型慢性肝炎の急性発症を示唆する所見です.B型急性肝炎ではこれらは認めません.
肝細胞壊死や変性が目立たず,類洞内へのリンパ球浸潤,門脈域での炎症が目立つことから伝染性単核球症類似のパターンと考えます.EBウイルスやサイトメガロウイルス感染を疑います.
肝細胞の再生
* 病理と臨床 2017Vol.35No.3 P.214- 病理学的鑑別 CK7で孤立して染まる細胞は前駆細胞progenitor cell(濃いリンパ球様)→胞体が大きくなる(膜だけ染まる)→CK7陰性化
輸血感染HCV
* 肝臓 57(S1)2016 A264 O-213 輸血によるHCV感染と院内HCV感染 → 日赤の2012-2014の3年間で疑い報告が99件,2004年から5例のみが確定している。
輸血による感染はほぼ否定でき,輸血によらない感染がおきている!?
輸血感染HEV
* 日内会誌 105:2215-2220,2016 輸血によるE型急性肝炎の1例 → 日赤に報告が2002-2014年で16例
→ 北海道ではNATでHEVはスクリーニングされている (献血者が潜伏期でなければ可能性は否定できる)
→ 薬物性肝障害の1割くらいはHEV陽性の可能性有り