01. 準備
2021.7.2改定
Windowsへのインストール
Windowsの場合は、Anacondaと呼ばれるシステムをインストールすることを本書では推奨します。
Anacondaでは、Pythonの本体及び、NumPy、SciPy、SymPy、Matplotlib、PILを含むよく使われるライブラリを一括してインストールできます。
から、Python3.x versionのDownloadボタンを押して、インストールを実行します。
実行開始後は、インストール画面の指示に従って、選択肢がある場合は推奨(Recommend)されてる方を選択して、進めてください。
インストールが終了したら、WindowsのスタートボタンのメニューにAnaconda3の項目ができていることを確かめてください。
Macへのインストール
MacにはPython2.7がプレインストールされていますが、本書では使いません。
Python3を新たにインストールします。
Windowsの場合同様にAnacondaを利用することもできますが、ここではPythonのインストールの基本である本家python.orgからインストーラーをダウンロードしてくる方法を紹介します。
のページでDownloadsのメニューを選ぶと、自動的に使用しているパソコンに適したPythonのインストーラのボタンが表示されるので、それをクリックしてダウンロードします。
pkg(パッケージ)ファイルがダウンロードフォルダに保存されます。
保存されたインストーラのファイルをダブルクリックして開きます。
後は画面の指示通りに、選択肢がある場合は推奨(Recommend)されている方を選んで、ボタンをクリックしながら進みます。
インストーラが正しく終了したら、ターミナルを立ち上げて、次のコマンドを実行します。
code: bash
$ python3 -m pip install --upgrade pip
$ python3 -m pip install pillow
$ python3 -m pip install numpy
$ python3 -m pip install matplotlib
$ python3 -m pip install scipy
$ python3 -m pip install sympy
Raspberry Piへのインストール
Raspberry Pi OSの最新版の入ったmcroSDカードををrpi-imagerによって作成することを強く推奨します。既存のmicroSDカードをそのまま用いると、そのカード上のシステムに修復不可能なダメージを与えたり、インストール 過程でエラーが生じる可能性があります。
幾つかの選択肢があります。
方法1: Raspberry Pi 4またはそれ以上のモデル(推奨)
code: bash
$ sudo apt install idle3 -y
$ python3 -m pip install --upgrade --user pip
$ ~/.local/bin/pip install --user jupyterlab
$ ~/.local/bin/pip install --user vpython
$ sudo apt install python3-matplotlib -y
$ sudo apt install python3-scipy -y
$ sudo apt install python3-sympy -y
PILとNumPyは、プレインストールしてあるものをそのまま使います。
この方法ではpipコマンドとaptコマンドを併用しています。pipコマンドは利用者権限で用います。
方法2: Raspberry Pi 3またはそれ以下のモデル
これらのモデルではハードウェアの性能面から、VPythonとJupyter Notebookを用いることは現実的ではないので、それ以外の必要なライブラリのみインストールします。
code: bash
$ sudo apt install idle3 -y
$ sudo apt install python3-matplotlib -y
$ sudo apt install python3-scipy -y$
sudo apt install python3-sympy -y
方法3: Raspberry Pi 4またはそれ以上のモデル(別の方法)
方法1でうまくいかなかった場合は、この方法を試してみてください。
この方法では、pipコマンドを主に使用してインストールを進めていきます。
Raspberry Pi OSにプレインストールしてあるPIL(pillow)とNumPyもアップグレードします。
code: bash
$ sudo apt install idle3 -y
$ sudo apt install libatlas-base-dev -y
$ sudo python3 -m pip install --upgrade pip
$ sudo python3 -m pip install --upgrade pillow
$ sudo python3 -m pip install --upgrade numpy
$ sudo python3 -m pip install matplotlib
$ sudo python3 -m pip install scipy
$ sudo python3 -m pip install sympy
$ sudo python3 -m pip install jupyterlab
$ sudo python3 -m pip install vpython`
libatlas-base-devは、NumPyを使うときに必要となります。
方法4: OSにUbuntuを利用している場合
code: bash
$ sudo apt install idle3 -y
$ sudo apt install python3-pip -y
$ sudo pip install --upgrade pip
$ sudo pip install --upgrade pillow
$ sudo pip install numpy
$ sudo pip install matplotlib
$ sudo pip install scipy
$ sudo pip install sympy
$ sudo pip install jupyterlab
$ sudo pip install vpython`
方法5: Raspberry Pi OSに最新のPythonをインストールして利用したい場合
以下のその1から5をすべて実行します。
その1) ビルドに必要なライブラリのインストール
code: bash
$ sudo apt install tk-dev -y
$ sudo apt install libncurses5-dev -y
$ sudo apt install libncursesw5-dev -y
$ sudo apt install libreadline6-dev -y
$ sudo apt install libdb5.3-dev -y
$ sudo apt install libgdbm-dev -y
$ sudo apt install libsqlite3-dev -y
$ sudo apt install libssl-dev -y
$ sudo apt install libbz2-dev -y
$ sudo apt install liblzma-dev -y`
その2) ビルド
code: bash
$ cd /tmp/Python-3.9.6
$ ./configure --prefix=/usr/bin/python3.9.6
$ make -j 4
$ sudo make altinstall`
その3) Pythonのライブラリのインストールするための準備
code: bash
$ sudo apt install libjpeg-dev -y
$ sudo apt install liblapack-dev -y
$ sudo apt install gfortran -y
$ sudo apt install rustc -y
$ sudo /usr/bin/python3.9.6/bin/python3.9 -m pip install --upgrade pip
$ sudo /usr/bin/python3.9.6/bin/pip3.9 install wheel
$ sudo /usr/bin/python3.9.6/bin/pip3.9 install cryptography`
その4) Pythonのライブラリのインストール
code: bash
$ sudo /usr/bin/python3.9.6/bin/pip3.9 install pillow
$ sudo /usr/bin/python3.9.6/bin/pip3.9 install numpy
$ sudo /usr/bin/python3.9.6/bin/pip3.9 install matplotlib
$ sudo /usr/bin/python3.9.6/bin/pip3.9 install scipy
$ sudo /usr/bin/python3.9.6/bin/pip3.9 install sympy
$ sudo /usr/bin/python3.9.6/bin/pip3.9 install jupyterlab
$ sudo /usr/bin/python3.9.6/bin/pip3.9 install vpython`
/usr/bin/python3.9.6/binにパスを通すよりは、エイリアスを定義するかメニューに登録する方がよいでしょう。また、方法1とも共存できます。
Pythonの環境の作り方としては、この他に仮想環境を用いる方法がありますが、Raspberry Piでは必要ならばmicroSDカードを変えることで異なる環境をいくつも容易に作れるので、ここでは紹介しません。興味のある方は、
などを参考にしてください。
Pythonの起動
Pythonを利用するには、IDE (Integrated Development Environment、統合開発環境)で行うのが便利です。
これまでの設定で、IDLEという名称のIDEが利用可能ですので、それを使うことを前提に説明していきます。
Windowsの場合: Anaconda PowerShell Promptを開いて、コマンドラインからidleという命令で立ち上がります。Spyderという新しいタイプのIDEも使えます。スタートメニューのAnacondaの項目の下にあるSpyderで開くことができます。
Macの場合: Finderのメニューバーの「移動」からアプリケーションフォルダを開くと、Python3.xというフォルダがあります。この中にあるIDLEのアイコンをダブルクリックして開きます。
Raspberry Piの場合: メインメニューにある「プログラミング言語」の項目にあるPython3(IDLE)から開きます。同じメニューにあるThonny Python IDEを使うこともできます
VPythonのインストール
Windowsの場合: Anaconda PowerShell Promptを開いて、コマンドラインから次のコマンドでインストールします。
code: prompt
conda install -c vpython vpython
うまくいかなかった場合は、次を試してください。
code: prompt
pip install vpython`
Macの場合: ターミナルを開いて、コマンドラインから次のコマンドでインストールします。
code: bash
$ python3 -m pip install jupyterlab
$ python3 -m pip install vpython`
Raspberry Piの場合:Raspberry Pi 4以上のモデルでは、Pythonのインストールの過程で実行済みです。
対話モードでの実行例
code: python
>> from vpython imort *
>> B=box()
>> B.color=color.red
Jupyter Notebookの利用
Windowsの場合: Windows で Anaconda をインストールした場合は、スタートメニューの Anaconda3 の項目の下 にある「Jupyter Notebook」をクリックすると立ち上がります。
macOSおよびRaspberry Piの場合: ターミナルから次のコマンドを実行して立ち上げます。
jupyter notebook
Windows, macOSおよびraspberry Pi 4以上のモデルに対しては、これまでのインストール過程でJupyter Labが利用可能です。ただし、Jupyter Labから開いたNotebookではVPythonはうまく機能しません。
Jupyter Labは、labextensionというコマンドでいろいろな機能拡張ができます。そのためには、Node.jsというシステムを先にインストールしておく必要があります。Node.jsのホームページからインストールすることができます。WindowsとmacOSには専用のインストーラが用意されています。Raspberry Piにはバイナリが用意されています。Raspberry pi OSの場合はLinux Binaries (ARM)のARMv7(32ビット)を、Ubuntu Desktop(RPi 4/400)に対してはARMv8(64ビット)をダウンロードしてきます。ダウンロードしてきたら解凍してできたに移動して、4つあるフォルダを/urs/localの下にコピーします。
code: bash
$ sudo cp -a {bin,include,lib,share} /usr/local
これで、labextensionが使えるようになります。Jupyter LabからVPythonを利用する場合は、次のようにして機能拡張を行います。
code: bash
$ sudo jupyter labextension install vpython
Raspberry Piの環境
インストールしておくと役立つアプリを挙げてておきます。WindowsやmacOSの場合は、専用のインストーラが用意されていることもあります。
LaTeX
code: bash
$ sudo apt install texlive-lang-cjk
$ sudo apt install texworks
$ sudo apt install letexmk`
これで LATEX のシステムが使えるようになります。TeXworks は専用のエディタを持つ統合環境 です。日本語を使わない場合はそのまま使えますが、日本語に対応した LATEX を使えるようにする には、TeXworks の設定を変えなければなりません。具体的には、図 9 のように latexmk を利用し、 タイプセットの方法を新しく定義する必要があります。
Latexmk(とpLaTeX)によるタイプセット
名前:pLaTeX (latexmk)
プログラム:latexmk
引数:
-latex=platex -kanji=utf8 $synctexoption %O %S
-e
$dvipdf='dvipdfmx %O -o %D %S';$bibtex='pbibtex %O %B';$makeindex='mendex %O -o %D %S';
-pdfdvi
$fullname
「実行後,PDF を表示する」にチェックを入れる.
数式だけをトリミングしてPDFを出力する方法
code:latex
\documentclass{standalone}
\usepackage{amssymb, amsmath}
\begin{document}
$\begin{bmatrix}1&2&3\\4&5&6\\7&8&9\\\end{bmatrix}$
\end{document}
PyX
LaTeXの数式を含む図を作成
code: bash
$ sudo apt install python3-pyx
GrappVz
有限グラフの作成
aspberry Piのインストールの方法1および方法2の場合
code: bash
$ sudo apt install python3-graphviz
Raspberry Piのインストールの方法3以降の場合は
code: bash
$ sudo apt install graphviz
$ sudo python3 -m pip install graphviz
画像ファイルの解析、加工、作成
code: bash
$ sudo apt install gimp`
サウンドファイルの解析、加工、作成
code: bash
$ sudo apt install audacity