読書と読者
キャサリン・シェルドリック・ロス(著) 川崎 佳代子(翻訳) 川崎 良孝(翻訳)
https://gyazo.com/7e10e45f3f3661c4b9f8b9deac0e8e44
読書と読者 : 読書、図書館、コミュニティについての研究成果
キャサリン・シェルドリック・ロス, リン(E.F.)マッケクニー, ポーレット・M・ロスバウアー著 ; 川崎佳代子, 川崎良孝訳
京都大学図書館情報学研究会 , 日本図書館協会 (発売), 2009.12
タイトル別名
読書と読者
Reading matters : what the research reveals about reading, libraries, and community
読書と読者 : 読書図書館コミュニティについての研究成果
タイトル読み
ドクショ ト ドクシャ : ドクショ トショカン コミュニティ ニツイテノ ケンキュウ セイカ
第1章 読者 キャサリン・ロス
1節 ヘニーペニーと読書の事例
2節 「フィクション問題」
3節 読書についての神話
4節 読書の歴史
5節 読書研究入門
6節 交流としての読書
7節 読書を思い出す
第2章 本読みになろう:幼年時代 リン・マッケクニー
1節 子どもと読書
2節 読者になる
3節 シリーズ本
4節 少年の問題
5節 子ども、図書館、読書
第3章 ヤングアダルトと読書 ボーレット・ロスバウアー
1節 ヤングアダルトと読書
2節 ヤングアダルトとフィクション
3節 読書とアイデンティティ
4節 多様な形態のメディアを読む
5節 読みと書きの関係
6節 ヤングアダルトの読書とアウトリーチ
第4章 成人読者
1節 誰が、何を、なぜ、どこで、いつ読書をするのか
2節 読書経験
3節 人生における読書の役割
4節 現実の人生より素晴らしい
5節 高次の読書と低次の読書
6節 ベストセラー、賞、精選リスト、好みの構造
7節 成人読者の図書の選び方
8節 読書案内
9節 社会的活動としての読書
結論:読書は人なり
p vii
研究により明らかにされているのは、人は多読によって読者になるということである。新参の読者を動機づけるのは、読書経験自体の楽しさである。図書館、学校、コミュニティは楽しみとしての読書を支援する必要がある。そうした支援は、図書を利用しやすくすること、読者による図書選択を助けること、読書への愛を祝福し模範にすること、本を与える喜びをーー対面あるいは電子環境を問わずーー共有する読者コミュニティを創造することによる。
1節 ヘニーペニーと読書の事例
多くの専門家は以下のような主張をしている。
読書という行為は、テレビや映画、DVD、インターネット、ゲームなどと競合している。
視覚メディアが、持続的なテキスト読解を妨げている。
なぜならば視覚メディアは、
画面上に一貫性なく現れる断片化されたハイパーテキストとの競争
インターネットのこと?
リテラシーが低下している。
一方で、リテラシーは維持され、向上しているとの説得力のある証拠もある。
p4
研究によると、北米人を対照とした包括的な調査では、95%の人がこの1週間に何かを読んだと答えている。また1週間の余暇時間のうち7時間から10時間を読書に費やし、読書はテレビについで2番目の余暇活動となっている。それに図書の生産と販売は常に高位にあり、事実として若い読者は平均すると年配の読者よりもよく読めるという(Statistics Canada 1996)。
これ日本だとどうなんだろう?
リテラシーの評価基準も変わっている。
p9
次第に証拠が蓄積されてきたのだが、子どもに読書を奨励する重要な要因として、子どもがテクストと生活を結びつけるのを助ける成人が、子どもの生活の中に存在するということがあるーすなわち多くの実生活に適した知識源として、子どもが本を理解するのを助ける成人である(Heath 1983;Cochran Smith 1984,21)。
楽しみとしての読書という現象を特に強調している。
関連記事
児童書の萌え絵化論争について、いまさらだけど現役学校司書の視点で考えてみた