日本のアニメーションはいかにして成立したのか
日本のアニメーションはいかにして成立したのか
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紹介
オルタナティブの日本動画史
いまや日本の輸出産業となった「アニメーション」という概念は、どのようにして受容され、また変遷していったのか。時代ごとの呼称や表現形式の分析を軸に、アマチュア作家や実験映画との関係、リミテッドアニメーションなど、これまで周縁的・境界的とされてきた創造活動に着目し、明治期から現代にいたるアニメーションの系譜をたどる。貴重な図版も多数掲載。
目次
はじめに───アニメーションをめぐる名称
1 アニメーションという言葉
2 戦前・戦中のアニメーションをめぐる名称
3 戦後・現代のアニメーションをめぐる名称
[Ⅰ BEFORE THE WAR]
第一章 戦前の日本にアニメーションの概念はなかった───アニメーションをめぐる名称についての考察
1 アニメーションの概念について
2 アニメーションという「共通の場所」
3 今日におけるアニメーションの概念
4 日本で公開された初期アニメーション
5 トリック映画とコマ撮り
6 影絵映画
7 人形映画
8 絶対映画
9 漫画映画
10 受容者の視点と制作者の視点
第二章 映画統制下のアニメーション───「線画」「描画」「動画」に関する研究
1 映画教育と映画検閲
2 線画と映画教育
3 描画と映画検閲
4 描画と分類学の思想
5 政岡憲三と動画
6 アニメーターとアニメーティング
7 アニメーション
第三章 戦前の自主制作アニメーション───アマチュア映画作家の「特殊映画」について
1 アマチュア作家のアニメーション
2 影絵映画の芸術性
3 前衛映画とアニメーション
4 大藤信郎とアマチュア映画
5 特殊映画とアニメーション
6 小型映画コンテストのアニメーション
7 田中喜次の影絵映画
8 岡野卯馬吉、荻野茂二、坂本為之、今枝柳蛙、森紅
9 荒井和五郎と竹村猛児
10 浅田勇の漫画映画
11 森紅と荻野茂二の抽象アニメーション
12 その後の特殊映画
[Ⅱ AFTER THE WAR]
第四章 アニメーションの概念はいかにして確立されたのか───ノーマン・マクラレンの受容を中心に
1 戦後日本のアニメーション
2 ノーマン・マクラレンの作品
3 教育映画とアニメーション
4 グラフィック集団の『キネ・カリグラフ』
5 前衛映画としての『線と色の即興詩』
6 『線と色の即興詩』に対する反応
7 一九五〇年代のアニメーション
8 ジョン・ハラスとアニメーションの新しい運動
9 アニメーションとしての『線と色の即興詩』
10 漫画映画からアニメーションへ
11 アニメーション(動画)と漫画映画のずれ
第五章 アニメーションの概念はどのように変容したのか───リミテッドアニメーションから考える
1 一九六〇年代初頭のアニメーション
2 リミテッドアニメーション
3 アニメーション三人の会
4 テレビコマーシャルとリミテッドアニメーション
5 アニメーション三人の会とテレビコマーシャル
6 アニメーション三人の会と実験映画
7 グラフィック・アニメーション
8 手塚治虫と虫プロダクション
9 『鉄腕アトム』のリミテッドアニメーション
10 漫画映画、アニメーション、テレビ漫画
11 アニメーションとアニメ
12 今日におけるアニメーションの多様化
第六章 アートアニメーションとはなんであったのか───アニメーションの多様性をめぐる考察
1 アートアニメーションについて
2 アニメーション三人の会
3 一九七〇年代の自主制作アニメーション
4 一九八〇年代の自主制作アニメーション
5 手塚治虫とアートアニメーション
6 国際アニメーションフェスティバル広島大会
7 一九九〇年代の自主制作アニメーション
8 チェコの人形アニメーションの流行
9 アートアニメーションの広がり
10 山村浩二とアートアニメーション
11 自主制作アニメーションとアニメブーム
12 日本のアニメーションと海外のアニメーション
アニメーション関連年譜
あとがき
主要作品名索引
主要人名・団体名・機関名索引