いぬかみっ!
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紹介
由緒正しき犬神使いの一族・川平家、その末裔で能力不足により勘当された高校生の川平啓太のもとに、一人(一匹)の犬神が現れた。"ようこ"と名乗る犬神は楚々として従順、しかも容姿は抜群。さっそく啓太は主従の契りを結び、ようことの共同生活を始める。だが、実はこの彼女、かつて誰もがコントロール出来なかった犬神の中の大問題児だったのだ!お金も女の子も大好きな煩悩の塊、犬神使い・啓太と、破壊好きで嫉妬深い犬神・ようこが繰り広げるスラップスティックコメディ登場。第8回電撃ゲーム小説大賞銀賞受賞者、有沢まみずが贈る待望の新作。 ストーリー
第一部
吉日市に住む高校生・川平啓太は、由緒正しき犬神使いの一族・川平家の末裔。ところが能力不足その他モロモロの事情により主家から勘当されていた。そんな折、川平家当主である祖母の元に呼び出された啓太は、“ようこ”と名乗る犬神に引き合わされる。出会った当初の彼女は従順で容姿は抜群。早速啓太は主従の契りを結び共同生活を始める。
ところが、ようこの本性は誰もコントロール出来ないほどの大問題児。当初の従順な態度はタダのポーズにすぎなかった。ようこの気まぐれで享楽的な態度に振り回される啓太は、様々なトラブルに巻き込まれ散々な目に遭わされる。
そんな日々の中、特命霊的捜査官の仮名史郎(かりな しろう)や親戚の川平薫、さらに“なでしこ”を始めとする川平薫の犬神達など、様々な面々が啓太とようこを中心として集まり、さらなるドタバタの日々が繰り広げられる。続いていく日々の中、啓太・ようこの仲は次第に変化していく。
しかしそれからしばらくして、かつて世界を震撼させた人類最強の魔道士の一人である『赤道斎(せきどうさい)』と、因果律をも意のままに操る史上最強の妖怪『大妖狐(だいようこ)』が復活を迎えてしまった。その上、啓太は大妖狐の力によって赤ん坊にされ、ようこもまた、大妖狐の霊力で作り出した牢屋の中に閉じ込められてしまうことになる。 赤道斎と大妖狐、そして自らの身体を蝕んでいた呪いを解くべく、赤道斎に裏で協力していた川平薫率いる犬神軍団によって壮絶な三つ巴の戦いが吉日市の上空で繰り広げられるが、予想外の事態が発生する。赤道斎の作り出した魔道人形『クサンチッペ』が、かつて薫に呪いをかけた張本人である魔道士『邪星』の怨念に乗っ取られ、同じく赤道斎の作り出した仲間であるはずの魔道具『大殺界(だいさっかい)』を改造して暴れだした。
主であるはずの赤道斎にまで反抗し、赤道斎と大妖狐の力を吸収したクサンチッペは、薫や薫の犬神達を肉体的・精神的に追い詰めていく。しかし、復活した啓太とようこの手によってクサンチッペと寄生していた邪星は倒され、また、薫にかけられた呪いによって氷の棺の中に閉じ込められていた薫の父と妹も邪星の消滅によって救い出され、薫の望んでいた破邪顕正は遂に達成された。
しかし、その代償として、薫は大殺界の力によって消滅。薫の最も身近にいたなでしこもまた姿を消してしまった。
第二部
吉日市で起こった壮絶な戦いから数日後。川平啓太とようこは、ともはねと邪星の呪いから救い出された薫の妹・川平カオルの四人で、川平薫邸に住み着いていた。
内気な性格をしたカオルは、始めは中々啓太達になじめなかったが、次第に打ち解けていくようになり、啓太のことを「啓太お兄ちゃん」と呼び慕うようになり始め、ようことともはねの動揺を招く羽目になる。さらにはフラノ・てんそう・たゆねと、薫の犬神達が妙な珍客を連れて次々と戻ってきたことで、また賑やかな日々が戻り始める。
そんな中、ヨーロッパ方面にいるせんだんを始めとする他の薫の犬神達は、消滅してしまった川平薫を救い出すべく、赤道斎の予言を元に、世界中に存在する高名な占い師達に薫を取り戻す方法を占ってもらう為に、世界各地を東奔西走していた。
そして、ごきょうやが入手した故人の占い師、イブン・ハサットの遺言を元に、太古の記憶を残す四体の精霊を吉日市に集めることになるが、ごきょうや以外の犬神達は、この遺言が消息を絶っていたなでしこからの言伝であることをまだ知らない。
以前とどこか雰囲気の違うなでしこは、様々な占い師達の語った予言にある『黒衣の背信者』を示すかのごとく、黒いエプロンドレスを身にまとっていた。