BLOOD+
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桂 明日香(著) ProductionI.G・Aniplex(著) https://images-fe.ssl-images-amazon.com/images/I/51CIjEeop1L.jpg
2005年、沖縄に暮らす少女・音無小夜――。ごく普通の女子高生だった彼女に次々と襲いかかる異形の影…。世界が注目するプロダクションI.G制作の話題のTVアニメシリーズ『BLOOD+』完全漫画化
作品概要
2000年に劇場公開およびゲーム化されたBLOODシリーズ第1作『BLOOD THE LAST VAMPIRE』の「少女が刀を使って翼手を斬る」というコンセプトはそのままに、キャラクターやストーリーを一新して製作された。『機動戦士ガンダムSEED』、『鋼の錬金術師』、『機動戦士ガンダムSEED DESTINY』などの人気アニメ作品を連発する毎日放送土曜6時枠、通称・土6の新作として話題を集める。作品上での謎が実際の歴史との関係が深く、奥深い作品となっている。
メディアミックスとして、小説版・複数のコミック版・ゲーム版が存在する。1993年開始の『ムカムカパラダイス』から続いたMBS土6枠最後の4クール(1年)作品である。
ストーリーは吸血生物・翼手との戦いや主人公・小夜の出生の謎を追いながら世界各国を巡る内容となっており、「沖縄」編(第1話 - 第7話、第14話、第15話)、「ベトナム」編(第8話 - 第13話)、「ロシア」編(第16話 - 第19話)、「フランス」編(第20話 - 第32話)、「イギリス」編(第33話 - 第40話)、「アメリカ」編(第41話 - 最終話)に分けられる。
さらに大きく分けると2部構成になっており、小夜とハジの沖縄での出会いから赤い盾崩壊までを描いた第1部、そしてその1年後の戦いを描いた第2部に分けられる。人間の血液を栄養源にする翼手、長い眠りに就く翼手の女王、日光を浴びられないシフなど、吸血鬼をモチーフにした部分が幾つか見受けられる。
小夜の住む沖縄の米軍基地問題やそれに伴う日米地位協定、アメリカの軍産複合体などの抱える問題についても、ストーリーで採り上げられている。
当初、スタッフの間では第1作から絵柄や世界観を変えることに対する不安もあったという2。しかし放送が開始されると、第1作の支持層が男性中心であったのに対して本作では女性層からの大きな反響があり、商業的には成功を収めることとなった2。 あらすじ
沖縄県沖縄市コザに住む音無小夜は、運動好きで食いしん坊なごく普通の女子高校生。1年前以前の記憶を持たない他は、血の繋がらない家族である養父の宮城ジョージとカイ・リク兄弟、そして親友の金城香里らに囲まれて幸せな日々を過ごしていた。
忘れ物を取りに入った夜の学校で、小夜は突如現われた得体の知れない化け物に襲われる。辛くもハジと名乗る美貌の青年に助けられた小夜。そんな小夜にハジは血まみれの腕を差し出し、ただ一言つぶやく。「小夜、戦って」と。ハジに口移しで彼の血を飲まされた小夜は、その瞬間別人に一変する。自らの血に彩られた異形の刀を手にし、たちまち翼手を切り伏せた小夜だったが、真っ赤な炎に照らし出され逃げまどう人々や、化け物を容赦なく切り捨てる自らの姿に恐怖する。こうして小夜の平穏な日常は、生き血を喰らう獣・翼手に遭遇した事で無惨な終わりを告げる。
小夜は翼手の殲滅を目的とする組織赤い盾の一員デヴィッドにより、自らの「血」が翼手を倒すことの出来る唯一絶対の武器である事実を告げられ、「赤い盾」に引き渡されることとなる。ジョージとの別離を前にした小夜は新たな翼手の襲撃を受けるが、戦いを拒否する小夜に代わり翼手に立ち向かったジョージが重傷を負う。米軍に協力して翼手研究に携わり、「マウス」と呼ぶ逃走した翼手を追跡していたヴァン・アルジャーノはジョージを拉致し、ヤンバルの研究施設に軟禁した上、治療の名目でD67という薬物を投与する。小夜はハジ、デヴィッドと共にジョージの救出に向かう。米軍が施設を空爆することが判明し、急ぎ知らせに駆け付けるカイ。D67の効力で次第に翼手化していくジョージは、人間の姿を留めたまま小夜の手にかかって死ぬことを望む。小夜とカイに見送られて、ジョージは息を引き取った。
D67を追う「赤い盾」は、その出所がベトナムの全寮制女子校リセであることを知る。また、ハジの正体がジョエルの日記に記された「小夜に従う者」=シュヴァリエと確認される。赤い盾の一員として翼手と戦うことを決意した小夜はハジと共にリセに潜入する。小夜はベトナムの地で忌まわしき過去の記憶、小夜を仇敵とつけ狙う「ファントム」ことカール、大手製薬会社のCEOで金髪の美しいカールの兄ソロモンと遭遇する。カールが密かに保管するコンテナの中身が、「赤い盾」が長年追い続けてきた「ディーヴァ」であると確信したデヴィッドは、コンテナ強奪を強行。しかし、カールとの死闘も空しくコンテナは運び去られた。相次ぐ戦いの中で、小夜は次第に自分が自分でなくなっていく不安に苛まれるが、気丈にも過去の記憶と対峙することを選ぶ。続くロシアで出会ったアンシェルは、「自分自身の過去が知りたければ、『動物園』に行け」と謎めいた言葉を残して姿を消す。今は廃墟と化した「動物園」に辿り着いた時、小夜は全ての記憶を取り戻すのだった。
自らの生い立ち。歴史の影に隠された人と翼手との永きにわたる戦い。そして自らが解き放った災厄の源、実の妹である翼手の女王ディーヴァ。
ディーヴァを守るシュヴァリエ達。世界を巡る彼らとの死闘の中で、小夜はかけがえのない多くのものを失っていく。