BEATLESS
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紹介
今から一〇〇年後の未来。社会のほとんどをhIEと呼ばれる人型ロボットに任せた世界。人類の知恵を超えた超高度AIが登場し、人類の技術をはるかに凌駕した物質「人類未到産物」が生まれ始めた。黒い棺桶のようなデバイスを持つレイシア。彼女こそが人類の理解を超えた超高度AIによって作り出された「人類未到産物」だった。17歳の少年、遠藤アラトはレイシアと出会う。人間がもてあます進化を遂げた人間そっくりの"モノ"を目の前にし、アラトは戸惑い、疑い、翻弄され、そしてある選択を迫られる。信じるのか、信じないのか-。「ヒト」と「モノ」のボーイ・ミーツ・ガール。彼女たちはなぜ生まれたのか。彼女たちの存在と人間の存在意義が問われる。そして、17歳の少年は決断する-。
牧眞司(shinji maki)@ShindyMonkey
日本SF大賞でのぼくの講評
『BEATLESS』にも驚いた。ヴィリエ・ド・リラダン『未来のイヴ』以来、人造美女を扱った小説はあまたあるが、この作品はまったく新しい局面を切り拓いている。
「哲学的ゾンビとの恋愛は可能か?」というテーマに正面から取りくみ、最後まで誤魔化しなく語りきっていて、それはレムの傑作『ソラリス』と対照しうるほどだ。また、映像的ケレンにも目を見張る。
小説の叙述としてみると説明的なきらいもあるが、それは読者の脳内で間断なくイメージへ転換され息をのむ情景が立ちあがる。〈人類未到産物〉レイシアたちが躍動するさまを、ぜひ丁寧につくられたアニメーションで観たいところだ(その企画もあると聞く。楽しみ!)。
そうしてできあがったアニメを観れば、この少女たちのバックグラウンドをもっと詳しく知りたくなる。設定資料集がゼッタイにほしくなる。じつは、それはすでに原作『BEATLESS』に同梱されているのだ。よく練られた設定のディテールに陶然とする。 ボリュウムのある小説だが、ハマったファンにとってはこんなに楽しいことはない。
おぎの しき @shikiogino
そういえばBeatlessで思い出したけど、
あれ、ちょっと退いて視ると、
・主人公が、傍から見ると頭がおかしい(言動・行動ともに)
・誰彼問わずエキセントリックな躁鬱会話と展開
・唐突に始まる戦闘
・戦闘中にイデオロギー対話
・ロボ