『ハンナ・アーレント――屹立する思考の全貌』
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2019年, 森分大輔
#book
2023-05-22 09:22
読了
アーレントの著作を追いながら、彼女の思想を紹介していく本
内容としては全体主義論的話題と哲学論的話題に分けられる
正直哲学の方はよく分からなかった。最後とか特に。
なかなかスッと内容が入ってこなくて、読むのに時間がかかった
ハイデガー・ヤスパース・アウグスティヌス・カントあたりの本ををひととおり読んだ後にもう一回読み返そうかなと思う。
でも分からないなりに、最後の方では我々が普段メンタルモデルとかヒューリスティクスとか読んでいるものに近い概念をそれぞれ感じることができたような気がする。読み返すのが楽しみ
全体主義のほうはというと、こちらは結構面白かった
まずシンプルに歴史として面白かった
ユダヤ人の歴史とか、革命観とか
ナチズムとか全体主義といったものの出現と発展はそう単純なものではないと知れたのも良かった
アーレントは人間の在り方と絡めて全体主義を分析していて、現代人に刺さる内容も多い
当時のドイツ国民と現代に生きる自分とは地続きだと思ったし、自分たちが当時の彼らと同じ事態に陥る危険も孕んでいるように思う
アーレントはユダヤ人でありながら、全体主義の分析においてユダヤ人に感情的な肩入れをするといった印象はなくて、むしろかなり手厳しい意見を突きつけている感じなのが印象的だった
現代に示唆的な内容も多くて、自分が当時に生きていても彼女のような分析ができたかどうかは疑問に思う
アーレントの著作を追いながら彼女の思想について紹介していくこの本は、内容として全体主義論的話題と哲学・政治学論的話題に分けられる。
正直な話、哲学および政治学的話題についてはよく分からなかった。最後とか特に。プラトンの思想に由来するところは倫理の授業で調べたところを思い出して何とか食らいついていたものの、難解な・悪い意味で哲学的な文章を消化するのに精一杯で、なかなかスッと内容が入ってこなかった。結果として読むのにめちゃくちゃ時間がかかりました。ただアーレントの思想的背景として現れる哲学者たちの思想に詳しくないのが内容を掴みづらくしている一因であることには違いないので、ハイデガー・ヤスパース・アウグスティヌス・カントあたりの本をひと通り読んでからもう一度読み返そうと思う。読み返すのが楽しみ。
一方で全体主義のほうはというと、こちらは結構面白かった。アーレントに絡めてユダヤ人の歴史やフランス革命やアメリカ革命についての紹介がなされるが、これらがシンプルに歴史として面白い。アーレントの分析も相まって、新しい視点で歴史を眺めることができる。そして、ナチズムとか全体主義といったものの出現と発展はそう単純なものではないと知れたのも良かった。汚点とされる歴史は語ること自体をタブー視してしまいがちだが、そのような立場では何も解決しないのだと思う。
アーレントはユダヤ人でありながら、全体主義の分析においてユダヤ人に感情的な肩入れをするといった印象はなくて、むしろかなり手厳しい意見を突きつけている感じなのが印象的だった。
現代においても示唆的で鋭い内容も多くて、自分が当時に生きていたとすれば彼女のような評価を行うことができるだろうかと考えてしまった。