ゐ合作審査後記
https://youtu.be/acj5XG01ZLk
ゐくかわ先輩さんからお誘いをいただき、ゐ合作の審査員を務めました
初日から超ハイクオリティの作品が提出されたり、リメイクを重ねた末に合格を勝ち取った作者がいたり
311個もの個性的で独創的な作品たちに点数をつけることは楽しくも苦しくもありましたが、最高の合作に仕上がってよかったですありがとう
苦しかったのは主に自身のサボり癖のせいで一気に数十作品もの審査を徹夜で終えなきゃいけなかったとき
僕は点数審査の際の採点基準は事前に厳密めに決めるタイプでした
そうしないと確実にブレる
以前にも審査員起用された経験(これ)を活かしつつ、いろいろ考えて決めたので、ここでLeje式採点基準の意図やこだわりを適当に書き連ねたいと思います
前置き
偉そうです
自分ができないことを人には平気で言うタイプ
人によっては不快に思うだろうけど、ぞねに限らず作品審査って元よりそんなもんじゃん(炎上)
僕の個人的な考えに基づいているので、納得いかない箇所もあるかもしれませんが御了承
本編
Twitterでは募集開始段階で公開していた採点基準表です
https://gyazo.com/27e2bb76749bc3c5214f5b24d430aed2
最初から最後まで基準自体は変わってないです
(実は途中から解釈の仕方が若干変わってたり)
ややこしい基準だけど慣れると割と早く審査できる
とはいっても、全作品にコメントを書いてたりしたので審査自体は恐ろしく時間がかかる
音声点
音作り(4)
非シンセは2点
4点は個人的に刺さったものの他、綺麗に原型を残しつつ美しい音作りだと感じたものにつけてます
好きな人が多そうだから
原型が残っているか否かの基準は曖昧なので、基本的に音重視で決めます
ベースやコーラスなどの音作りも聴いて決めます
あまりに雰囲気に合ってない音作りだと減点対象というくらい
ミックス(4)
細かいmixは全然聴き分けられないので、スペクトラムアナライザー頼り
凹んでいたり飛び出している音域がある場合、最高2点
ベースの主張が強すぎる、主旋律が聞き取りづらいなどが減点対象(基本的に1点)
-5.0lufs以上は最高3点
音圧超過扱い
0.5点減点くらいの感覚で扱います
ゆわしょAガン掛けは最高2点
何も調整してないと大抵スペクトラムが歪むのですぐわかる
デフォ値1個くらいなら3点以上も普通にあり得たと思います(知らんけど)
mixがしっかりしていても、一部でも聴き心地が悪いと感じた場合、1点
シンバルなどの高音で耳が痛い、低音域があまりに籠もったり広がったりしているなど
自分でマスタリングしてみて聴き心地が多少良くなったと感じた場合、最高3点
構成(2)
全体の流れよりは各場面に見られる工夫を重要視
なんの工夫もないと当然0点
たとえ原曲を途中変更していてもシンプルに繋げているだけだと同じ
少しでも工夫が見られれば0点はつけてません
逆にくどいと感じた場合、最高1点
セリフ合わせがあると加点、ただし不自然なものは加点なし
8小節でも十分2点取れるし、むしろ取りやすいかも
リスペクトであっても減点なし
減点・まとめ
音割れが少しでも見られると減点
ピッチのズレや音程の不自然なズレは減点
音感ないのでたまに聴き取れてないかも
不自然でなければ、音程アレンジはむしろ構成点の加点対象になります
各分野において僕の個人的な好みに刺されば加点されます
僕は好みが介入できる余地はやっぱあって良いと思うので
減点はあんまり意味ないと思うので基本しない
非シンセかつ構成がシンプルでも、mixがある程度しっかりしていれば及第点(5点)が取れる設計になっています
音作り2点, mix3点, 構成0点
音声点内の構成点の評価に発想評価はほとんど含まない
合計点が7点以上になった場合再採点するようにしています
この時、他作品の点数と合計点での比較検討をします
それまでに同点をつけた作品と比較し、場合によっては各分野に加点や減点が発生します
全部やるとめんd……採点の効率化のため、7点以上という基準を設けています
映像点
基礎技術(4)
簡単に言えば、映像の「凄さ」を評価する項目です
画面に最低限の動きを持たせたり、少しカメラ制御が扱えるくらいが平均(2点)と考えています
+αで技術を盛り込んでいくと点数が上がります
誰が見ても凄い映像でないとなかなか4点はつけてません
巧みなシェイプモーションやテキストアニメーション、気持ち良いカメラワークや3Dモデルなどを使うと点数が上がりやすいです
技術2(4)
簡単に言えば、映像の「美しさ」を評価する項目です
動きの項目では、主にイージングや動きの幅を評価します
自然なイージングを使い、映像に動きの滑らかさを感じた場合、 +1点
不自然な動きが見られる場合、-1点
無難にイーズアウトのみを使っていたり、動きが少ない場合、点数の変動なし
カラグレの項目では、カラーグレーディング(色調補正)や図形・テキストなどの配色を評価します
映像の色味や配色が美しく、素材の色崩れも起こしていない場合、+1点
カラグレにより素材の色を大きく損なっている場合、-1点
どちらにも当てはまらない場合やカラグレを特にしていない場合、点数の変動なし
エフェクトの項目では、オブジェクト個々にかかっている各種エフェクトを評価します
雰囲気に合った美しいエフェクト使いを感じた場合、+1点
エフェクトが不自然であったり素材が見えづらくなっている場合、-1点
どちらにも当てはまらない場合、点数の変動なし
最大4点, 最低0点
構成(2)
構成の奇抜さより、まとめ方の巧みさを重要視
画面構成や、レイアウトの美しさを維持したまま画面に動きの情報を足す能力を評価
親の顔より見た構成は0点
俗に4画面構成や縦4分割構成と呼ばれる(?)構成など
反転の見えづらい構成は最高1点
主にトーラス型立体など
リスペクトであっても減点なし
減点・まとめ
画質劣化がひどい場合減点
素材の画質は考慮しない
「作者も気付いててそのまま提出しただろ」レベルの編集ミスは減点
技術2の分野に2点を基準とする独自の採点法を採用し、映像の美しさを要さない作品であっても点数が下がらない設計になっています
合計点が7点以上になった場合再採点するようにしています
音声点と同様
発想点
素材(2)
知ってる動画ではあるがテクニックに使われているところは見たことない素材であった場合、2点
過去に2回以上テクニックに使われているのを見たことがある素材であった場合、0点(場合によっては加点)
その他、素材自体の面白さやリスペクトと素材の相性などにより加点
構成(6)
音声点,映像点それぞれでつけた構成点を足し合わせたもの+α
評価しきれていない構成上の発想を評価し、2点まで加点します
リスペクトの場合、基本的に加点なし
発想(4)
「そもそもの発想力がないとできない構成」を評価します
点数は4~0点ですが、3段階評価です
基準が曖昧なものを5段階評価にしてしまうと、ブレが頻発すると思ったため
まとめ
減点はありません
発想点のみ12点満点で採点し、10点を超えた分は切り捨てとしています
以下の意図があります
素材が何であれ10点を取れる設計にするため
構成の分野が6点もあるため、10点満点だと構成以外が軽視される採点になってしまうため
これにより発想10点は出やすいです(11作品出た)
合計点が7点以上になった場合再採点するようにしています
音声点と同様
まとめ
自慢の採点基準です 設計をかなり詰めてるのが伝わってくれたら嬉しい
僕自身は満点取れないんですけどね
改良したい箇所もいくつかあります
音声点の計算が単純すぎる気がする
細かい評価ができるほど耳が肥えてないのが原因
セリフ合わせの評価を充実させたい
減点基準を強化したい
2点以上の減点をほとんどしていなかったので、特に目立つ場合2点減点とか
審査員としての2ヶ月間、振り返ってみてもとても楽しかったです
特に審査員にしか伝わらない会話や呟きを(ネタバレにならない程度に)するのがやめられなかった(おい)
そういう意味では単品に提出順番号つけるのを提案してよかったなって思ってたり
審査システムが完成形すぎてマジでやりやすかった
審査員毎に部屋作って、単品にリアクションで審査完了を知らせるシステムマジで天才だろ
主催と提案者に感謝
ちなみに、合格者でもアドバイスを要求できたため、実際に多くの合格作品に対するアドバイス要求が来ました
このアドバイス、実は主催と僕だけが担当していました
基本的に主催がアドバイスを送り、思い付かない場合僕が代わりにって感じ
スから始まる人さんとかまから始まる人さんへのアドバイスは半分以上僕が書いた気がする
この採点基準が、後の審査制合作で少しでも参考になれば嬉しいです
最後に、僕が満点を付けた作品たちです あっぱれ!!!
https://gyazo.com/8e12fc1fb423f58ae3fe6c0fc564e48b