オープンリサーチフォーラムセッション
登壇者
弁護士ドットコム:橋詰さん、高瀬さん
リーガルデザインラボ:水野祐
水野祐
これまでのリーガルデザインラボの活動報告
2016年から始まったラボ
領域は4領域
リーガルテック
リーガルコミュニケーション
ガバナンス
リーガルデザインマインド
オープンラボ
2018年1月からオープンラボを実施してきた。
1回目はテーマなし
2回目は医療システム
3回目はブロックチェーン
第12条
明瞭かつ平易な文言が使われ、簡潔で、透明性があり、理解しやすくかつ容易にアクセスし得る携帯を持って情報及び通知が行われるものとする
第13条
意図されている取り扱いの意味の外観を容易に視認でき、理解しやすくかつ判読できる方法で提供するため、標準化された図形記号を組み合わせて提供されてもよい。
リーガルデザインを推奨している、と評価されている
契約の未来
リーガルデザインラボ(スタンフォード)
GDPRを題材としたWSを開催している
ボローニャ大学とも連携を始めている
コントラクトギルドの活動報告 ー契約のUIUXの探求
リーガルコミュニケーションの活動が中心だった
UI/UX
21世紀にふさわしい契約のあり方とは?
法律だけでなく、デザインやテクノロジー領域の専門家を交えて進めてきた
契約のカスタマージャーニー・ユーザーフロー研究(サービスデザイン)
NDAを結ぶ際のカスタマーのフローを洗い出した
雛形の研究
雛形が世の中に溢れていることにより、条件や文言を調整し合意するプロセスに「無駄な争い」が生まれ、企業の生産性を下げる
契約書のフォント・レイアウト研究
コンピュータ、Word、PDFでみやすい契約書のフォントを選んでみる
いまの84%はMS明朝だった。YUゴシック11pt
海外事例のリサーチ
スマホ時代の契約UIを試作
契約条件の洗濯、設定をTinderノスワイプやモンタージュ写真のUIを参考に着想
モンタージュ型契約
パーツを選んで組み上げる契約
スマホの画面上で合意できる契約を作ろうとしていた。
チャットボット式 NDAを弁護士ドットコムのリーガルテック・ラボと共同で施策
相手型から受け取った契約書のリスク度を判定するもの
対話式で契約書を作ることも不可能ではないが、分岐が複雑で逆に作成に余計な時間がかかる
ここまでやってみて、本当にユーザーのペイン(Pain)がそこに存在するのか?
ユーザーのペインを整理
契約に問題意識を持つ法律実務家・エンジニア・デザイナー13名にインタビュー
マインドマップをベースに一般ビジネスパーソンに範囲を広げた
「契約のペイン」リサーチ
2018年8月16日から8月20日まで520名にWeb調査を行った
作成→締結→管理→利用 の4フェーズで行った
締結の締結、管理はリーガルテックの主戦場。しかし、一般ビジネスパーソンにペインはほぼ無し。
契約書作成フェーズにペインが集中。特に「交渉」は頻度・大きさともにペインが強い
価格交渉も含める
契約不履行、紛争は約30%超が関与無し。
職種別に切ると、研究開発職は契約に強いペインを感じている
100人以上規模の経営者の紛争対応リスク感度が高い
まとめと全体評価
現状ある契約締結管理テックの事業貢献は一部にとどまっている
契約書作成のペイン解消ソリューションが目下強く求められている
債務不履行・紛争対応は、企業ステージ工場に伴って大きな経営課題に
今後のリーガルテックに求められるソリューション
3〜5年後:近未来
契約書作成、交渉をサポートするリーガルテック
10年後
紛争解決そのものをサポートするリーガルテックが求めらえる時代へ
契約の未来「次の(次の)契約」
橋詰の結論
全ての契約は利用許諾契約になる
全てのビジネスがワンショットな取引から持続的な契約になるから
顧客がエンゲージメントを求めているから
ただし、エンゲージメントは企業にとっては負担となっている
これまではアドバンスを得て行っている
瑕疵担保責任を織り込んでいるだけ
これからはエンゲージメントに対して、持続的に課金するという形になっている
ex)
オンプレミス→クラウド
物の販売→月額利用料
利用規約って、交渉もできないし、変更も一方的になる
ただしサービスが良いものであれば、受け入れるのでは?
利用許諾契約を作る場合は、基本は余白を作らないようにする。
ただし、未来的なサービスの場合、新しい条項を作る場合は2〜3条にとどめている間隔
この2〜3条は、多少の余白を持たせる。書き込まない、という選択肢もとっている
全ての契約は電子契約になる
提供者にも悩みがある
将来の事情変更を予測し得ない
電子契約のメリット
勝手に修正されない
変更履歴が追える
重大な変更は通知される
電子契約で変更履歴を追えるようにし、持続的契約に対応
偉人たちの意見
プラットフォームから追い出されると難民になる
国家及び国家のようなものたちとの契約
ルソー「社会契約論」
一般意志
それぞれの特殊意思から想察し合う過不足を除いた相違の総和
内田貴「制度的契約論」:前段は内田貴「契約の時代」
制度的契約
特定の当事者同士の契約関係でありながら、一方当事者が、同様な契約を結んでいる他の当事者や、まだ契約関係にない潜在的な当事者への配慮を要求されるような性質の(外部性の強い)契約
制度的契約⇄取引的契約
裁量の余地を広く残した「スタンダード」の形をとる契約原理
常識的な落とし所は必ずあるが、落とし所は時代によって異なる
高瀬
裁判所が契約システムを提供すべき
課題が10個くらいある
契約の標準化と構造化の問題
条項抽出のパターン
目次ごとに分割
空欄に着目して分割
アルファベットが大段落、及びローマ数字が小段落のような構造にする
ただし、大抵の場合、こんなに簡単ではない。
Google Java Style Guide : コーディングルール
API連携の問題
セキュリティーや認証に関する問題
デザインの問題
ネット裁判所
例:Online Dispute Resolution
国連SDGs公表16
リーガルテックには膨大な前処理が必要
水野
リーガルテックのサービス
docracy
Free Legal Document
Thomson reuters Contract Express
スマートコントラクト ≠ スマートリーガルコントラクト
スマートコントラクトは自動執行される契約として定義されているもの
ex)自動販売機
イーサリウム上のプログラムのこと
スマートコントラクトは多義的な言葉になっている。
Accord Project
OpenLaw
CLAUSE