社会問題の析出過程
初期資本制社会の前提
市場経済社会の大原則=「個人責任原則」
個人主義=個人責任原則(自己責任)…全ての問題は基本的に“個人の問題”である
貧困が生じても,それは“個人の問題”である
労働力の維持不可能な状態(疾病)/摩滅(死亡)も基本的には“個人の問題”
社会問題の析出
個別の事象の存在だけでは社会問題と認識されない
【個別の事象】 ← 【見る主体=語る主体】 …個別の事象を‘問題である’と認識する
この認識に〈言葉〉が介在している
「何かがある」ということと「それが問題である」という認識は異なる
〈個別の事象=社会問題〉と認識される契機 〈言葉による認知と共有化〉
⇒〈個人の力ではどうすることもできない「問題」が発生している〉と言語化され、その認識が共有されること
言語による認知と共有化の前提
1. 近代化による社会の均質化=人間間の共通性の形成(「大衆」の形成)
→〔第1段階〕「異質なもの」の認知→排除・差別のプロセス
→〔第2段階〕「異質なもの」の量的拡大→「社会問題」視
2. 近代化/資本主義化の阻害要因の発見=「社会問題」
3. 個人の力ではどうすることもできない,偶然的な問題の発生
〈言葉〉が通じると言うことは,そこに社会があるということ
言葉の社会的機能
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