FBユーモラス書き起こし
【01】『きたるべき世界』 EPISODE IV: THE WORLD TO COME
父様。お父様はどこ?
旦那様は現在、ガラテア山脈にて、アガメムノンのポータルを生成しております。
いつ戻る?
星々が正しい位置に戻る時、旦那様もまた、お戻りになられるでしょう。
ふーん。
お嬢様。……歩き読書は危険でございます。
マルチタスクよ。
と、申されましても。
ときに、お屋敷の図書室の場所が分からなくなってしまったの。
ご案内いたします。
付いてこなくていいわ!
図書室は、このお部屋から遥か西にあり、大変危険です。
おーばーけー。
そういった類の危険は、実在いたしません。
おーばーけー。……驚いた?
度肝を抜かれました。
あなたには、ユーモラスが足りないわ。
ですが、人類はその持ち前の目立とう精神により、日々、我らの存在を脅かしております。主にレジャーとして。
レジャーとして。
となれば。旦那様ご不在の現在、常にドロッセルお嬢様のお傍にごさいますことが、フリューゲル家にお仕えする、私、ゲデヒトニスの使命であり、お嬢様?
うぇ。
お嬢様。寝てました?
平和を祈っていた。
左様でございますか。……それではこちら、ハラヅモリ3000が、お嬢様をスムーズかつ快適に図書室までお運びいたします。
便利ね。
お乗り遊ばされください。
ボエー。
もういい。歩いていくから案内なさい。
歩き読書は、
マルチタスクよ!
と、申されましても。
いいこと。アリさんが熱心に働く一年間、キリギリスさんはバイオリンを弾いて歌って暮らしました。
興味深い。
その結果、キリギリスはどうなったか?
はい。
バイオリンと歌がチョー上手くなりました。
そうでなくては!
そのままメジャーレーベルと契約して全米デビュー。
まさに、芸は身をタスク。
そういうタスクよ。
左様でございま……。
【02】『黄金のこころ』 EPISODE VII: HEART OF GOLD
父様。お父様はどこ?
お待たせいたしました、お嬢様。
あなたはボクの父様ではないわ。
旦那様は現在、バルカン45遺跡にて、アンティキティラ機械群の調査を行っております。
そう。
時にお嬢様、今はお休みになられている時間では。
怖くて目が覚めたの。
お~ば~け~。でございましょうか。
目をつむると、ボク自身が消えてなくなってしまうのでは、といった不安が原因だ。
いいですか、お嬢様。信じる心こそが、その存在を強固にするのです。
それは難しい問題よ。言うならば、卵が先か、ニラ玉が先か。
卵ですね。まずは、想いを言葉にすることが大事でございます。LESSON1。アルファベット順に、連想する単語を述べよ。
アンキモ。ばかりの。コンビニ弁当。ですか?
と、聞かれましても。やり方を変えましょう。そちらは、信じる心を物理的な強度に変換するマシーン。フリューゲル家の防衛システムと同じ原理に基づいています。
奇想天外ね。
旦那様のゆるぎない心により、このお屋敷は、人類から守られているのです。
人類か。人類たちもまた、ボクたちのように、「考える」、存在なのか?
と、申しますと?
つまり、雨上がりの水溜まりを飛び跳ねたいと、夢みたりするかしら。
残念ながら。
残念だ。
ですがお嬢様。大切なものは、けして失われることはありません。今たまたま、ここにないだけでございます。
そうか。
では始めましょう。
分かった。
LESSON2。質問に、はいかYESで答えよ。
はい。
第一問。フリューゲル家は偉大である。
はい。どうかしら。
その調子でございます。第二問。お嬢様もまた、偉大である。
はい。ふふーん。
流石でございます。第三問。何よりお屋敷には、、優秀な執事がいる。
はい。
ちくわぶ。
【03】『ハイペリオン交点』 EPISODE XI: THE HYPERION INTERSECTION
父様。お父様はどこ?
お待たせいたしました、お嬢様。
あなたはボクの父様ではないわ。
旦那様は現在、ユヴィナトリクス鉱山にてヒッポカムポスの繁殖研究を行っております。
そう。ときに、パーティーに相応しい服が底を尽きたの。言うなれば、王様は裸。
ですが、お嬢様は王様ではございません。
では何様か。
お嬢様。
これではフリューゲル家の評判もうなぎ下がり。
左様でございましょうか。
寝ぐせも治らないし。
お気になさらずとも。
例えば、招かれる先々で用意される座布団がボクのだけ微妙にしっとりしているなど。……はぁ、はぁ。気持ちがはみ出してしまったわ。
身だしなみは大事でございます。
服装の乱れはドレスの乱れ。
左様でございますね。
お帽子、おベルト、おズボン。お帽子、おベルト、おズボン。
お帽子、おベルト、オズボーン。オベルト・オズボーン!
ご安心くださいお嬢様。そのような事態に備え、地下427層に展開する、フリューゲル家自慢のクローゼットエリアより、適切なパーティーユニットを見繕っておきました。
用意周到ね。ふーむ、これは?
騒々しいパーティー会場でも、大声を出さずに済む、ハイツレギスタ社によるオモシロニクス。その名も、キャリオカ。
試してみて。
ホッホッホッホ、お嬢様。おーお嬢様。
はい。
お腰につけた、チミチャンガ~。一つ……
待て。チミチャンガ?
チョウギ(ここの名詞なにかわからない)。でしたか。わたくし、いささか爪が甘かったようです。
爪が甘いのね。
その爪の甘さたるや、ケーキを手づかみで食べたあとの如し。
フォークを使いなさい。
恐れ入ります。
ケーキが無ければコーヒーを飲めばいいじゃない。コーヒーには2種類存在する。ううむ。レギュラーコーヒーと、イレギュラーコーヒーだ。
父様。
動いていいか~。