EIP-2612がYearn FinanceやOpenZeppelinに採用され普及が進む
EIP-2612の概要
近頃ERC-20を拡張したEIP-2612の普及が進んでいる。EIP-2612は、ERC-20トークンの使用可能な量のマッピングであるallowanceの変更を、署名付きメッセージによって実行する新しい関数permitを導入する。 EIP-2612が解決する課題
EIP-2612は2つの課題を解決する。
(1) approveの操作とtransferFromの操作を1つのトランザクションにまとめること。
ERC-20では、ユーザーがあるコントラクト(分散型取引所など)にトークンを送った際に、その事実がコントラクトへ通知されない。
そのため、まずapproveトランザクションにより自分が所持するトークンの操作をコントラクトに許可し、別のトランザクションでコントラクトがtransferFromによる処理を実行するという流れになっている。
(2) ETHではなくERC-20トークンによるトランザクション手数料の支払いをすること。
ERC-20トークンのやり取りの際に、ETHを一定量保持しておく必要がある。
これら課題は長年解決が望まれてきたもので、様々な提案(ERC-777など)が出ている。しかし提案の多くは追加機能が多く、予想外のバグを引き起こすことがあった。EIP-2612が特徴的なのは、ERC-20の変更を最小限に抑えていることである。特にapproveの抽象化にだけ焦点を当てている。 EIP-2612の普及
EIP-2612は徐々に普及が進んでいる。
また12日には、OpenZeppelinがEIP-2612を実装したERC-20実装をマージした。OpenZeppelinは監査済みのセキュアなコントラクトの標準実装を提供している。 コメント
minaminao.icon EIP-2612の普及に期待