Blockcerts
最終更新日:2018.10.5
概要
Blockcertsはブロックチェーンで卒業認定等の証明書を作成、発行、閲覧、検証するためのオープン標準である。
Blockcertsは技術的な標準を定めており、どんなブロックチェーンでも動作するよう目指している。2016年にBitcoinで、その後すぐEthereumで動作するようになった。
証明取得者はiOSまたはAndroidアプリとして提供されるBlockcertsウォレットアプリを利用し、Blockcertsから自身の証明書をインポートし、閲覧できる。さらに、Blockcertsで検証可能な独立したリンクを生成してシェアできる。
https://youtu.be/5wAyS1e_hOo
いくつかのちょっとした認定プログラムなどで利用事例があるようだが、生きてるリンクは1つしか見つけられなかった。
ワークフロー
https://www.blockcerts.org/assets/img/pictures/howitworks.jpg
5のプロセスにおいてモバイルアプリ (Blockcerts Wallet) を利用する。
https://www.blockcerts.org/assets/img/pictures/blockcerts-app.png
データ連携
Blockcertsは被証明者(recipient)中心なオープン標準を利用している。Blockcertsには、ブロックチェーンで検証可能なオープンバッジの拡張機能が用意されている。
Blockcertsコミュニティは以下の標準と連携し、標準の策定にも貢献している。
これらの標準に準拠することで、例えば以下のような問題の解決に繋がる。
証明書の失効
非中央集権で自己主権型の参加者のID
鍵管理を含むライフサイクルの懸念
仕組み
現在BitcoinとEthereumで稼働
Ethereumは開発中っぽい
オンチェーンには証明書のハッシュ値を記録する
発行者 (Issuer) が証明書ハッシュのマークルツリーを作成し、BitcoinトランザクションにOP_RETURNフィールドとしてハッシュを格納する
検証サービスにて、発行者 (Issuer) の署名と証明書データの検証を行う
証明書のステータスが期限切れになっていないか、取り消されていないか
プラットフォーム利用料はトランザクション手数料のみ
大学はこれで儲けようとは思ってない
業務フロー効率化を考えている
なぜBitcoin?
Blockcertsの目標は共通のパターンセットを提供し、ブロックチェーン全体で、異なる市場ドメイン間でクレデンシャルを発行・検証できるようにすること
このプロジェクトが始まった2015年当時、Bitcoinネットワークが唯一の選択肢だった
2016年にEthereumに展開するための開発リソース配分で議論が起きた
The DAO事件やその他のハッキングなど
生涯続く必要のある資格情報にとっては信頼できないようにみえた
Bitcoinのドキュメンテーションをできるだけ有用にしつつ、将来他のブロックチェーンに応用できるようにオープンにした
2017年、Ethereumの盛り上がりを受けコミュニティで開発が始まった
Hyperledger Fabricで利用できるか?
利用可能だが、BitcoinやEthereumのように永続的にネットワークを動かすインセンティブ構造がないので推奨しない
所感
自分で卒業証明を取り寄せたところ、結構大変だった
まず大学ホームページで取り寄せ方法を調べる
申し込み用紙を作成、捺印して郵送で依頼
大学から証明書が返送されてくる(封印された封筒の中に証明書が入っており、自分で開けると無効になる)
証明書を就職先に提出
Blockcertsなら、証明書アプリのデータを就職先に送信し、就職先で検証サービスに問い合わせすれば完了する
業務フローが簡略化される
物理証明書、偽造防止の特殊な紙で作られてるらしいが、これも結構高いらしいので、あらゆるコストが削減されそう
将来の展望
偽の証明書の排除
証明書発行にかかる業務フローの簡略化・高速化
紙の証明書よりも真偽の検証が簡単かつ正確
必要になりそうな要素
オープンな標準規格に則り既存ユーザを取り込めること
(例えばMIT卒であることをしっかり確認したい等)雇用側に対して影響力のある大学が参画しており、実運用を強く推進できること
卒業生や企業の人事担当者などが使いやすいこと
各種リンク
プロジェクトリンク
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議論
勉強会メモ
nrryuya.icon < 僕も早く卒業したいなー
最初のメールのやりとりのところで学生が送ってくるアドレスを信用しなくてはならないので、ハック可能、マイナンバーなどもっと信頼できるIDに署名した方がいいのでは