軽くでいいから運動・筋トレをした方が良い
研究者はホワイトワーカーの代表だと思うが、ホワイトワーカーである程度出世している人は、運動を多少なりともしている人が多い。金澤としても、軽くでいいので運動することを強く薦めたい。ここで簡単に記述したい。
(1) キャリア上で重要な事=ちゃんと頭が回る時間を、日々最大化する
当然だが、研究には時間が必要であり、多くの時間頭を使って仕事をする必要がある。この際に複数の戦略がある:
1. 労働時間を増やす
2. 労働中の仕事の「質」を上げる
これらの戦略を組み合わせるのが適切である。ここで重要なことは
研究では「ミスすること」は非常によくない。ミスがあると、大量の作業時間が事後的に無駄になることがある。よって、睡眠時間を削って労働時間を増やしても、ミスが増えるので全くよくない。むしろ、ちゃんと睡眠は取ってください。
研究は結構メンタルが強い方が長期的に強い仕事です。なので、メンタルが悪いのは良くない。ちゃんと土日は遊んでよく寝て、メンタルを保ってください。
以上を踏まえると、選択肢1は現実的ではなく、選択肢2の方が重要だと金澤は思う。
(2) 仕事の「質」を高めるには、体力を付けるのが重要
当然だが、人間は動物であって、体力は不可欠である。質の良い作業時間を増やすには、体力が多い方が良い。体力と言っても、"physicalな体力"もあるし、"mentalな体力"もある。両方が重要であるが、両者はお互いに相関する。そして、前者の方が鍛えやすい(後者の鍛え方は金澤にはわからないので教えて欲しい)。気軽に自らを鍛えるなら、physicalな体力を高める方が確実である。
つまり、physicalな体力はある程度鍛えた方がいいと金澤は思う。これはあなたが研究者として「舐めプ」をせず、世界中の研究者と本気で戦う気があるのなら、最初にやるべき「投資」だと思う。例えば、もしRPGを最短でクリアする必要があるなら、効率よくレベル上げを行う必要があるが、「RPG」の代わりに「研究勝負ゲーム」を行うなら、「効率的にレベル上げ」を行うためにも簡単な運動・筋トレをした方が良い。
(3) 本気で体を鍛える必要はない;あくまで体調管理の一環なので、ストレッチと軽い筋トレで良いと思う
もちろん我々はホワイトワーカーであって、体を本気で鍛える必要はない。どれだけ見た目が強くなっても、特に職を得る上でのメリットはそんなにないだろう。ちなみに金澤はむしろ運動は嫌いなので、「好きだから運動したい」と思ったことはない。あくまで、physicalな体調管理を目的とした簡単なストレッチと軽い筋トレ(自重トレーニングなど)で良いのではないかと思っている。金澤の場合は、両者を合わせて1日で合計30分程度に収まる様にしている。たとえば、
脚、腰、肩回りのストレッチを一日で合計15分程度
プッシュアップ(数十回)、プランク(90秒)、ダンベルスクワット(5回×3セット)、ダンベルシュラッグ(15回×3セット)
くらいを目安にしている(金澤は簡単なダンベルを居室に持っている)。
ちなみに金澤は上記の運動を定期的にやるようになってからは、腰痛が明らかにマシになった。特に、講義で立って黒板で長時間話す時(集中講義だと6時間×3日くらい?)の腰痛もマシになった。また、ダンベルシュラッグをすると、明らかに肩凝りが減る。肩凝り腰痛がマシになると、睡眠の質も上がる。そうなるとmentalの体力も良くなる。
(4) あと、軽い運動すると目が覚める
よくわからないが、軽くストレッチ・筋トレをすると目が覚める。これは血流の問題だろうか?とりあえず、15時くらいになってやる気がなくなったら、軽く体を動かして、目を覚ますのは日常的なライフハックとしてやっている。
(5) まとめ:研究パフォーマンスの維持・最大化を心掛ける
研究者は研究することが人生の一つの大きな目的だが、そのためには、自分をマシーンと思ってちゃんと管理した方がいい。そのためには、
physicalな体力
mentalな体力
は重要である。よって、よく寝て、よく遊んで、軽く運動しよう。
余談:土日の労働・徹夜はあんまりしないように
原則として休日・土日は個人の勝手であり、好きに過ごしてよい。なので、勝手に研究をしていても問題ない(金澤としては文句が言えない)。しかし、あんまり土日に労働しすぎるのは良くないと思う。せめて土日の2日のうち、1日は休みを取った方が良い。研究生活は長期勝負なので、「一時的に必死に頑張る」というのは継続性があまりなく、あんまり褒められたことではないと思っている。徹夜も同様にやめた方が良い。ただミスが増える可能性が上がるだけであり、研究評価が下がるだけである。
全く異なる文脈の話だが、卒業研究で殆ど研究を行っていなかった学生が、最後の数カ月になって「今から心を入れ替えて必死にやるので、なんとかしてください(※意訳:単位をください)」と述べることがあるらしい(というより数例、経験がある)。金澤は全く評価できない。というより、そのような持続性がない短期的頑張りには「負の評価」を与えたい。徹夜をするとミスが増えるので研究結果が逆に信用できなくなる。研究では「結果が間違っていない」ことが最低限の必要条件であり、「それっぽいが、実は正しいかわからない結果」が書類上に並んでいることに意味はない。「徹夜を沢山して、すごく頑張って出した研究結果である」という申告があれば、状況証拠としては「その解析結果の信頼性はむしろ低い(休みが少ないのでミス率が上がっているし、詳細を練られていない)」と推定するのが妥当だろう。つまり、むしろ普通より用意周到に解析結果の粗探しを指導教員としては行う必要がある。学生の研究結果にミスが存在するかどうかを疑うのは、教員の職業的猜疑心から来るものである。つまり、「仕事」である。
金澤が無茶な労働をdiscourageするのは、金澤が「単に優しい」というわけではない。「たとえ卒業が近づいていても、徹夜はせず、普通のリズムで普通に研究してほしい。それで卒業までに研究が間に合わないスケジュールになってしまったのなら、それは自己責任である。まずはそうならないように、ちゃんとスケジュール管理を行って欲しい。」ということも暗に言っている。つまり、「いざとなった時の、緊急避難的な、短期的ハードワーク」すら、選択肢としてdiscourageしている。