相関と因果の混合について
相関関係があるだけでは因果関係があるとは断定できず、因果関係の前提に過ぎない
相関関係とは
相関関係の意味は、広辞苑で以下のように解説されています。
一方が他方との関係を離れては意味をなさないようなものの間の関係。
例えば「父と子」「右と左」「上と下」は片方を軸として説明されている概念であり、相関関係があるでしょう。
また、数学の世界では相関関係とは「一方が増加する時、他方が増加もしくは現象する傾向が認められるという二つの量の関係」とされています。
つまり相関関係とは、AとBの事柄になんらかの関連性があるものを表しているでしょう。
例えば「時間の経過」と「空に浮かぶ太陽の位置」には相関関係があります。
朝には東の低い空にあった太陽は、時間の経過と共に南から西へと移動していくでしょう。
しかし、この2つの事柄に因果関係はありません。
因果関係とは
では、因果関係とはなんでしょうか。
広辞苑において因果関係とは「原因とそれによって生ずる結果との関係」とされています。
わかりやすいものでいうと、仏教の教えにある「因果応報」という言葉があるでしょう。
これは、過去に行った所業によって現在の身にあらゆる事柄が起こるという考え方です。
つまり、因果関係とは、Aを原因としてBが変動することを指します。
先ほどの例を出して言うと「時間の経過」と「空に浮かぶ太陽の位置」に因果関係はありません。
なぜなら、時間を原因として太陽が動いているわけではないからです。
もし地球が自転を止めて、時間がいくら経過しても空に浮かぶ太陽の位置が変わることはありません。
参考文献