Naval Ravikant

Founder of Angel List

家庭の困難をよそに、Navalは教育面で優秀さを発揮した。ニューヨークの名門公立校であるStuyvesant High School（スタイベサント高校）の入学試験に合格し、同校に進学する。後年彼は「Stuyvesantに入れたおかげで人生が救われた。名門校のブランドのお陰でアイビーリーグにも進学でき、テック業界への道が開けたんです。あれは一種の知能の宝くじに当たったようなもので、ブルーカラーの環境から一気にホワイトカラー層へと跳ね上がることができた瞬間でした」と語っている

Stuyvesantはマンハッタンの高校

在学中に法律事務所Davis Polk & Wardwellでインターンシップを経験したが、これは彼にとって挫折の一つとなった。3ヶ月で解雇となったこのインターンについてNavalは「会議室で新聞を広げて座って待機してろと言われたんですが、新聞を読むのすら許されないんです。ただ誰かにコピー取りを頼まれるのを待つだけ。そんな企業の秩序には馴染めず、3ヶ月も経つ頃にはすっかり反抗的になってました。遅刻はするし、服装規定も守らないし、暇だから社内でUsenet掲示板を読んだり（笑）。明らかに自分には合っていませんでしたね」と振り返っている

インターンクビになってる

ミニマルな社交: 趣味とは少し異なるが、Navalのプライベートでの対人関係にも独特の哲学がある。彼は上辺だけの付き合いや時間消費型のネットワーキングを極力避けており、「コーヒーでも飲みながら一度会いましょう」といった誘いには基本的に応じない主義である。

実際かつて“idon’tdocoffee.com”というドメインを所有し、自らのメールアドレスをnaval@IDontDoCoffee.comにしていたほど。これは「目的のないコーヒーミーティングで人脈作りをするような空虚な関係構築は好まない」という彼なりのユーモアを込めたメッセージだった。代わりに、共通の関心事やプロジェクトを通じて築かれる本物の人間関係だけを大事にしているという。週末のパーティーよりも自宅での読書、業界カンファレンスでの名刺交換よりも内輪での深い議論――そんなミニマルで選りすぐられた社交ぶりも、彼の私生活の特徴的な側面である。