Internal evaluator / 自己批判マシン
行き当たりばったりで、行動力こそ命という生き方をしてる人に読んでほしい。
自己批判マシンとは、論理構造を客観的に判断し、整合性の取れてない箇所、曖昧に決めつけてしまっている箇所を明示し、そこの情報補完、論理の再考を促す自分の中に存在する1つの人格(マシン)である。思考と行動の連続における思考側の精度を上げることで、無駄な行動を減らし、最短でセンスのいい解を導き出せる
これがあることで
客観的に自分に批判をすることができ、一瞬で他者から突っ込まれる浅はかな意思決定が減る
チーム、友人にもいいフィードバックができ、周りのレベルが向上する
Feedbackについて
人にfeedbackをすることで、自分の批判レイヤーを複製できる。
それってこうなんじゃないか? ここの論理がおかしいんじゃないか? を自分に繰り返し発生させる
松尾先生、LayerX福島さん、Tailor柴田さんはこのレイヤーが洗練されている印象がある
取り組む人格とフィードバックする人格は別人格なので双方育てる必要がある
後輩や友人にアドバイスをするとき、無意識にいい意味で機械的にフィードバックをしている
情がなく、聞いたファクトをもとに欠点を指摘できる
この人格を育てることで自分の考えに対しても客観的にフィードバックできるようになる
結果的に、自分の中で提案と批判を複数レイヤー繰り返すことが可能になり、仮説や意思決定の質が向上される
気づき、具体的な体験談
Logpopを作ってた時、X Tech手嶋さん、Reality 荒木さんら筋のいい人に真っ向からpivotした方がいいと否定された
Value Propも考慮できてたし、自己批判は繰り返した上で作っていた(と思っていた)
ちょっと紹介しただけの大人にはアプリの凄さはわからない、わかってもらえないと思っていた
2人ともC向けで大きな事業を作ってきたから、いろいろ経験した上で見切っていたと今ならわかる
ガッツリ話した上で彼らに否定されたので、プライド的にどこか自分を慰めたくなっていた
今ならわかる、彼らの中で最低限のフィルターがあり、いわゆるいけてない戦いをしようとしていた
3ヶ月ほどで撤退までいけてよかった。今考えるとなぜLogpopを心の底から信じていたのか不思議である。あの時は完璧に見えた。(ちなみにアプリ案としては今もすごくいいと思う。如何せんお金が動かない...)
逆にLocketはいい意思決定だったと思う。
「Locketを作ること」という土台は良くて、「いつ参入するか」「何がセンターピンで競合を倒せるか」などの一つ下のレイヤーがダメだった。
プロダクトのニーズが明確だったので、そういう意味ではLogpopと全く違う戦いですごくいい勉強になった
最近同じようなC向けを作る後輩にアドバイスをした。そこに市場はないからやめろとアドバイスしてる自分がいた
100万ユーザーを獲得するのはむずいし、その上マネタイズも考える必要がある
プライドを捨てきれずプロダクトに固執する姿を見て、あの時の自分を見ているようだった
大事なのはノーススター
自分のノーススターは最低1兆円($10B)の会社をグローバルで作ること
大事なのは山(時価総額)の高さであり、ユーザー数でも影響力でもない
そんな自分にとってはC向けであてに行くより、複利の効くB向け、巨大産業の方があっていた
ちなみに、原田さんや川崎さんはアイデア自体を否定することはなかった。B向けの印象が強いDCM原さんもそうだった。「とにかく目の前のユーザーを満足させることだけ考えろ」「Do thing that don't scale」系のアドバイスが多かった
これは彼らが幾度となく「これは伸びない」と言われるプロダクトの発展を見てきたからだと思う
これを読んでる読者でC向けにトライしようとしてる人はできるところまで頑張ってほしい。
あなたが18歳の起業家だとする。マシンを形成するまでの順番は以下の通り
考えれるだけ自分で考えて、限界が来たと思ったらすぐに大人に共有する。
もらいたいフィードバックの切り口を明確にする -> ここはあってるか? とピンポイントで解像度をあげ仮説をしっかり持つ(スタンスをしっかりとる)
ここはこういう理由でこっちと比較してこう思うが、どう思うか? という聞き方は根拠や比較対象が明示されてるのでいい質問と言える
大体ジュニアの意思決定は根拠も比較もない。周りに影響されて1択で決定しているので後悔してしまう。撤退力があればまだいいが、撤退に慣れてない場合微妙な打席で数ヶ月を無駄にしてしまう
マシンが形成されてないと大した仮説は導き出せないのでとにかくすぐ人に共有する。
共有時に、プライドを壊されつつも聞く姿勢は強く持つ必要がある。ここで頑固になってしまい意見や見方を変えられないやつは伸びない。「咀嚼して必要なものを残す」と良くいうが、咀嚼せずにアドバイスをブロックしてるジュニアが多々いる
ある程度ナレッジが溜まったら、人にフィードバックをしてみる。
客観的なアドバイスを繰り返すことで論理批判マシンを自分の中に形成する。ひたすら客観的に、情報量は足りてるか、情報をもとにした仮説、そこに至る論理は正しいかをチェックする
人の批判を繰り返すことで、自分の意思決定の質は自ずと上がっていく
これは社内でもできる。少し日の経ったインターン生にさらに新しいインターン生のフィードバック役を任せると伸びることがある
マシンを自分向けに使ってみる
最後はそれを自分に適応する
「これ他人の意見だったらめちゃくちゃいけてないな’」といった自分の外に視点を持てるといい。メタ認知