じっくり読書会第6期『人を助けるとはどういうことか』
テーマ本:『人を助けるとはどういうことか』
本書でとりあげられるのは支援行為です。社会的なことか個人的なことかという境界を越え、助ける助けられるという関係に焦点をあてながら、共通する感情の動態(ダイナミクス)について語ります。
文体がエッセイ風のため読みやすいという特長もさることながら、とりわけ著者と妻メアリーとの間の日常的な頼まれごと事例のくだりでは「なぜこうも分析的に立場の上下にこだわって言語化しなければならなかったのか」と思わず笑ってしまうほどです。
ですが、こういったシーンでの心理的な戸惑いや苦戦について素直にあけっぴろげに不特定多数の読者にむけて文章で語れる人がどれほどいるでしょうか? しかもリーダーシップ論や組織心理学の知見をもって、公私にわたる様々な支援行為を読み手がうまく実践できるよう解説してくれるのです。
ファシリテーター、ファシリテーションに本書がどう関係するのか。関係しないわけがありません。2009年出版ですので本棚に眠っている方もいらっしゃるかもしれませんね。2024年、オンラインとオフライン、各々の特性をシームレスに活かす支援が求められる新しい時代の足場として、どうぞこのじっくり読書会を活用ください。