リベラルアーツ
もうひとつの講義『芸術と社会』では、学生に作品のプランを作ってもらいます。作品作りには、恥ずかしさを伴います。でも恥をかかないと成長しませんし、それを乗り越えて作品作りやプロジェクトを行うと、自信がつきます。
リベラルアーツとは、語源をたどればリベラル(=自由な)+アーツ(=技)です。私はリベラルアーツとは「自由になるための技」だと解釈しています。つまり、自分に与えられた生き方や社会にただ従うのでなく、それとは異なる、別の生き方や社会を自由に構想する技です
それを想像できると「自分の人生、こんなものかな」というのは思い込みだとわかります。だから、教養を身につけるということは、自分の可能性を知る技術を手に入れるということで、その可能性の中からなにをどう選んで生きていくか、悩むことになるでしょう。教養には、人を迷わせる面もあるんです。
であるなら、教養を学んでも意味がない、そんなことに時間を使うくらいなら、専門を勉強したいと考える学生が多いのでは?という指摘を受けることもあります。でも、本当にそうでしょうか。私は、そう口にする学生はどこかでそういった言い方を知って、「そういうものか」と思い込み、使っているだけだと思います。