指揮系統
軍隊の例
ライン
大将→中将→少将→・・・ という上下構造
将校、下士官、兵卒に分かれている
将校
大将~少尉まで
直属の上官の要求を実現すべく、直属の配下を動かす(会社でいうと総合職)
戦略→戦術→作戦とブレイクダウンしていく
直属の上官の命令(戦略・戦術・作戦)に対して反論(意見具申)する権利があり、そのさい対案を出す義務がある
まずい作戦、計画に盲従して失敗を生じさせた場合、「なぜ反論しなかったか」と責められる責任がある。
「決定」が出るまでは最善の方策を上官と議論する義務がある(=組織の集合知の要員である)
「決定」に対しては無条件に服従する。
最高位(大将、CEO)の戦略意図を理解・賛同していることが求められる
下士官
軍曹、伍長など
いわゆる一般職に相当(兵卒も)
直属の上官(将校の最下層)の要求に対して合理的に現場(兵卒)を動かして実現する仕事(任務遂行)。
実行内容の作成、指示が仕事
将校に対して作戦自体の要件や必要性に対して意見することは求められていない
作戦の内容そのものに対する責任は負わない
任務遂行上の支障に対して意見具申、臨機応変な対応の権限はある
能力は「戦場での勝ち方を知っている」であり、サラリーマンであれば「達成可能な形でガントチャートを管理できる」である。
兵卒
上等兵、二等兵など
一般職、あるいは新卒やアルバイトにあたる
求められていることは「指示のとおりに動くこと」のみ
「右から攻撃せよ」と言われて確実に右から攻撃するのが仕事であり、「左のほうが最適ではないか?」と考えることは求められていない。
作戦の成功失敗に対する責務は負わない。
作戦従事の経験により作戦立案能力が得られれば、下士官に昇進する。
ラインにおける命令・計画とは
必要な要素(これらはかならず示され、共有されなければならない)
背景状況の認識
報告形態(内容と時期)
優先事項(トレードオフになった場合に何を優先するか)
原則
実行できないこと、計画できないことは組み込まない
「まず競馬で10万円を20万円にします」は計画に組み込んではいけない
形容表現を用いない。
(NG)速やかに、可能な限り
(OK)〇〇時までに、最低〇〇個を
”大胆な作戦(Risk taking)”とは、「最悪が想定され、それ対して予備があるもの」である。
(将校レベルにおいて)成功に自信がない命令を引き受けることは、成功に自信がない命令を出すことと同程度に害悪である。
スタッフ
参謀(会社でいうと秘書、〇〇付)
上記の命令系統と別に、各階級者の知見・判断・立案を補佐する人間である。
求められているのは専門分野の知識である。
ラインの命令系統に介入することはできない。
社長秘書が部長に命令することはできない。
部長が不在の場合に、部長付きが代行指揮を取ることは許されない。
ラインにおいて求められる適性(服従、意見具申など)が欠ける者をスタッフにあてることが良い場合もある。