CoC戦前シナリオ案
【コンセプト】
CoC前シリーズ(「サルヴァ・メ」「ヨム・ハディン」)に登場するキャラクターたちの先祖や親類たちの物語。一見すると華やかではあるものの、裏は軍国主義的できな臭いという戦前の雰囲気において、満洲の多民族共生社会を描いてみたかった。満鉄あじあ号も使ってみたい。
【プロット】
1930年代、東洋の某国。この国の皇后に、不貞の子が出来た。皇帝は、その子を産まれて間もなく殺害するよう命じる。しかし、その赤子は突如何者かに連れ去られる。帝國陸軍はこの不祥事を公にはせず、極秘で調査を開始する。将校の虎崎はプレイヤー(探偵)に対し、赤子の捜索に対する協力を要請する。
同じころ、ある医師の元を陸軍所属で宮廷の女官、狗嶋が訪ねる。狗嶋はひとりの女性を連れている。そして女性に関する偽の診断書を書くようプレイヤーに指示する。女性は皇后である。
狗嶋の足取りを追って〇〇(新京、現在の長春)の郊外で調査をしていると、ひとりの西洋人女性が泣きながら何かを訴えてくる。女性は白系ロシア人の農民リリヤ・ザイツェワで、最近人の住み着いた隣家で「小さな妖怪」を見たという。隣人はリシーツィンという男性である。
実は皇后が生んだ子は、人に非ざるものである。当時精神的に不安定な状態にあった皇后は「深きもの」と関係を持ち、子を孕んだのであった。狗嶋など、陸軍の上層部はこのことを知っている。実は狗嶋光子は、スヴェトラーナ・ヴォルコワというソ連人である。ヴォルコワとリシーツィンはソ連のスパイ(NKVD)であり、軍事・超能力研究のために「妖怪の子」を祖国へと連れ帰るつもりであった。
プレイヤーは、
①皇帝の命に従い、人類の脅威となり得る赤子を殺害する
②神話生物の研究に協力すべく、リシーツィンと狗嶋をソ連へと逃がす
…などの選択肢を取ることになる。
【キャラクター】
NPC
虎崎昭二郎(トラサキ ショウジロウ)
帝国陸軍将校(日本人)
星
狗嶋光子(イヌジマ ミツコ)
スヴェトラーナ・ヴォルコワ(Светлана Волкова)
帝国陸軍宮廷女官/スパイ(ソ連人)
モデルは川島芳子
影狼
волк は「狼」の意
ウラジスラフ・リシーツィン(Владислав Лисицын)
スパイ(ソ連人)
藍
лисица は「狐」の意
リリヤ・ザイツェワ(Лилия Зайцева)
農民(白系ロシア人)
優曇華
заяц は「野兎」の意
皇帝
皇后
丁先生(テイセンセイ)
書道家(漢人)
てゐ
プレイヤー
長尾 賢之助(ナガオ ケンノスケ)
私立探偵(日本人)
ナズ
雲 橙夏(ウン・トウカ Yun Chengxia)
探偵助手(漢人)
橙
燐惠(リンネ)
歌手(日本人)
モデルは李香蘭
燐
【導入】
長尾賢之助(PL1:ナズ)は、助手の雲橙夏(PL2:橙)と共に〇〇市(奉天、現在の瀋陽)で興信所を營んでいる。ある日の午後、東亞の歌姫として人氣の歌手、燐惠(PL3:燐)が長尾の元を訪れ、世間話をしている。先日、燐惠に付きまとう追っかけを見事撃退して以來、彼らは顏馴染みである。するとそこへ、帝國陸軍の軍人が訪ねてくる。
彼は虎崎という若き將校であり、とある軍事機密の調査への協力を長尾に依頼する。虎崎の《知識》ロール、または燐惠の《APP》《幸運》ロール、あるいは長尾の《言いくるめ》ロールにより、燐惠も追い出されることなく軍事機密を聞くことができる。
虎崎「はっ、貴女は…『死州夜曲』を歌っておられる燐惠さんではありませんか!?此は大變な光榮であります!」
機密とは、この國の帝族に關わるものである。皇帝には若い皇后がいるが、どうにも以前から精神を病んでおり、阿片中毒になってしまっているようだ。ある時彼女は宮廷を脱し、數日間行方知れずとなっていたが、後に〇〇(旅順)港で保護された。その際に、皇后が不貞の子を孕んでいたことが判る。皇帝は、恐らく體裁のため、赤子が産まれた直後に殺害するよう命じた。
しかし、いざ赤子をボイラーに投げ込まんとしていた折に、その子は何者かによって連れ去られてしまった。宮廷と、それを監督する帝國陸軍にとっては大失態である。つまり事が明るみに出る前にその赤子を搜し出し、確保せねばならないということだ。
【宮廷教育係の話】
・
・なぜか街の医師が呼ばれ、皇后の診断をしていた。
【医師の話】
《言いくるめ》《説得》《APP》など
・ある帝国軍人から偽の診断書を書くように言われた。
《さらに》
・狗嶋
【事件現場の探索】
【目撃証言】