知的障がい者のための歯磨き支援アプリケーション『いっしょにはみがき』の改良
山岸 駿
本研究では2014年に富澤俊紀が制作した知的障がい者の歯磨き支援iPad用アプリケーション『いっしょにはみがき』の改良に取り組んだ。開発ツールはXcode(ver15.2)を使用した。弘前大学教育学部付属特別支援学校の小枝洋平教諭のフィードバックを参考に、アプリの改良方針を1)歯磨き部分の細分化と音声の調整、2)ユーザ毎にカスタマイズできる自由度の確保、3)歯磨き箇所毎の角度や圧力の誘導考案とした。主な改良点は、歯磨き部位の細分化、歯磨き部位を示すマーカとそれに連動したアニメーションの関係の見直しである。既往アプリが歯磨き部位を16箇所としていたものを30箇所にあらためた。このことにより画面操作が煩雑化したが、小枝教諭のアドバイスにより、一部の移行を自動化して解決した。一方、当初予定していたカスタマイズ性の向上と歯磨き部位の指示をわかりやすくする視覚的工夫の実装は叶わなかった。猛省するとともに、今後の改良に期待する。