アクセシビリティカンファレンス福岡 2024
障害は乗り越えられるべき課題なのか? @田中みゆき
オーディオゲーム
もともと視覚障害者の間で使われてきた
マジョリティがマイノリティの作った世界に触れる:いつものマジョリティとマイノリティの関係とは矢印が逆
入門書を作りたくはなかった
マニュアルを作るとマニュアルを守ることを目的としてしまうのがありがち
4つの課題
これまで多くの人が取り組んでこなかった問題(良いこと)に取り組むという提供する側の満足に陥っていないか?
アクセシビリティさえ整えば、障害のある人は公平に社会に参加できるのか?
アクセシビリティのことを"健常者"だけで話していないか?
心身の機能障害:インペアメント - 個人モデル
社会的障壁:ディサビリティ - 社会モデル
ICF(国際生活機能分類):今まではICIDH(国際障害分類)だった
「アクセシビリティは人権の問題」
人権はすべての人が生まれながらに持ち、いつでもどこでも平等にそして無条件に尊重される権利
人権に関わる問題が周囲の気持ちに訴える表現(配慮・思いやり)になりがちなのが、日本の問題
「情報保障」:知る権利を保障する
「自己決定」:自分がどうしたい、どうありたいかを、自らの意思で選択し、決定すること("Nothing About Us, Without Us")
情報を保障する≠体験を保障する
障害者文化
環世界:異なる感覚が主体的に立ち上げる世界のこと
例:目が見えない人が音の反響によって空間を把握すること
生きられた体験:個人によって意味付けされた固有の経験
例:平日と土日では空いている店舗が違うので通る道を変えること
障害特性だけで、その人がどうしたいかを他の人が決めることはできない
社会的障壁がなくなったとて、個人の心身の機能障害がなくなるわけではない
アクセシビリティとエイブリズムは表裏一体
エイブリズム:健常者の規範/基準にもとづいて障害のある人を差別すること
テクノエイブリズム
補聴器や人工内耳で健聴者の世界に馴染めるようにすることが、本当にその人のやりたいこと?
手話やろう文化に触れられる環境を作って、そういった文化に触れることが本当にその人のやりたいことかもしれない
エイブリズムに抗うために
マジョリティが「健常者の特権」について意識的になること
障害のある人が作る側に立つための技術をアクセシブルにすること
制作側/開発側に障害のある人が加わること
アクセシビリティを当たり前にするまで @坂巻舞羽
アクセシビリティに取り組む組織のよくある課題
他人事になってしまう
何をすればいいか分からない。余裕がない
ビジネス的な価値を求められる
やさしい日本語
海外から来た人を多く雇用している企業に行って、実際にユーザーヒアリングして使えそうとなった
障害者雇用をしている企業に行って、ユーザーヒアリングをした
分かりやすい情報になっていることで支援をしやすくなる
本リリース後に高齢者(難しい漢字はごちゃっとして読みにくい)や社会人経験が浅い人(労務関連の言葉をまだ知らない)からも反響があった
手話CG KIKIが繰り広げるインクルーシブ社会の実現 @小谷野崇司
ストーリー
私には三つ歳の離れた兄がいます。兄は小さい頃、病気で聴覚を失いました。
兄はひどく落ち込み、コミュニケーションが取りづらくなったことでよく喧嘩もしちゃった。
兄は友達に恵まれて明るくなり、10代の頃にはよくパーティーに出かけてた。
私も兄とその仲間たちと一緒にフェスに出かけた時があってね。
ステージの脇で通訳者が手話でRAPミュージックをやっているのを見て、衝撃を受けたの。
こんなに情熱的にメッセージもヴァイブも伝えられるなんて!
音楽や手話というものを越えて、なんていうか、最高の表現だった。
音が聞こえないってどんな世界だと思う?
兄といるときによく考えるんだけど、私が耳を閉じたとしても、それは一緒の感覚じゃないと思うんだ。
でも、みんなが見てる世界も違うはず。聞こえてる音も違うのかも。
私は、そういう繋がっていないかもしれないものを、繋げていくのが好き。
私は、Interpreter。
ただの通訳ってだけじゃなくて、私らしいスタイルで新しい価値観を混ぜながら、多くの人に世界の美しさを伝えていきたい!
2025年から適用
選挙のアクセシビリティ @野田純生
来年の参院選のアクセシビリティを改善する
さまざまな情報ソース
投票所のバリアフリー
選挙と福祉・医療の連携
インターネットにおいての選挙公報公開は選挙ポスターの掲示に準じた扱い
とある候補のPDFは読み上げ順がちゃんと設定されていた。ただ都道府県や政党単位で統一されているわけではなさそう(他の市の同じ政党の候補は設定されていなかった)