洗練された動きは小脳のおかげ
小脳は、「運動の自動化」という重要な役割を担っているところです。
この自動化には、「プルキンエ細胞」という細胞が鍵を握っています。小脳には、運動をした結果、目標とどのくらいずれていたかの誤差情報を受けるシステムがあります。その情報を受け取るプルキンエ細胞により、運動に関わっていた神経回路のつながり方が変化します。これにより、人間の無駄な動きがなくなり、洗練された動きが実現できるのです。
運動については、脳を含めた身体全体の問題としてとらえる必要があります。運動器(筋肉や骨)だけの問題ではありません。
運動する時には筋肉からも栄養をもらっています。筋活動することによってIGF-1(インスリン様成長因子1型)が骨格筋や肝臓から血液を介して脳に運ばれ、脳の神経回路の形成を促進します。その結果、脳の中のBDNF(脳由来神経栄養因子)が出て、新しい神経細胞の産生を促しています。運動すること自体は脳が指令を出して行うのですが、運動することで脳は筋肉からも栄養をもらうことができるのです。機能的に健康な状態になるためには、運動が重要な役割を果たしているのです。
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