デザインシステムは最低限の品質保証と効率化を提供するが、品質向上の手段とは必ずしもいえない
デザインシステムは最低限の品質保証と効率化を提供しますが、品質向上の手段とは必ずしも言えません。成果(価値抽出など)を迅速に求められる状況で力を発揮する一方で、ユーザーへの価値創造を真剣に向き合うと、既存パターンの組み合わせだけでは不十分な場合もあるでしょう。
デザインの質には、安定性や効率性のように測定や体系化可能な要素がある一方で、創作活動から生まれるアート的な要素も含まれています。創作から導き出される質は明確に測定できないですし、時にリスクを伴うこともあります。時間やコストをかけることで生まれる創作活動や質への取り組みは、「最適化しながら迅速に動く」環境との相性が必ずしも良いとは言えません。
効率化, 標準化へのアプローチが増え、デザインシステムなどのコンポーネントライブラリに依存するようになったことにより、UI デザインの探求、情報アーキテクチャなど本質へ取り組む機会が減ってきています。また、エンゲージメントなどの指標達成のためのデザインが本当に人のために良いのかといった問いかけや議論が、現場でどれほど実施されているのでしょうか。