スタートアップ初期の熱狂
私も何度か経験がありますが、事業やプロダクトが立ち上がった時期の熱狂は何事にも代えがたい快感です。特に、プロダクトリリース後に手応えを感じ始めた頃などは、それまでの苦しみがあった分、その喜びは格別です。 まだ少人数で、メンバー間に部活や研究室のような一体感があり、ミッションも何も言わずとも行き届くツーカーの関係が築かれています。
また、全員が事業やプロダクトの全貌を大体把握しており、プロダクトのどこを変更すればどのような影響があるか大体想像できるし、自分の決断の結果がダイレクトに自分に返ってくるので自分ごと化しやすい。そういう全能感があります。
この、一体感と全能感が、この時期の熱狂の源泉です。
ただ、この段階はあくまでもスタートを切れただけであり、この後は急成長をする必要があることは先に述べました。そして、組織が大きくなるにつれて熱狂は薄れていってしまうものです。
また、この熱狂の快感にやられてしまった人間は、全員に全貌を把握してもらいパワープレーでゴリ押すことを志向しがちです。認知能力の高いメンバーを揃えて一つのチームでなんとかしようとする。システムの話だけで言うと、何十人も開発者がいるのに、一つのモノリシックなシステムを触らせるようなことです。僕自身にもそういった傾向を自覚しています。