技術的負債の泥沼から組織を救う3つの転換点
本日、「EMconf JP 2026」というイベントで「技術的負債の泥沼から組織を救う3つの転換点」というタイトルで登壇します。こちら、資料です。
なぜ技術的負債はなくならないのか
完了したときに設計はすでに陳腐化していた
ビジネスの変化速度、組織構造を変えずに技術だけ変えた
なぜ繰り返されるのか
技術、事業、組織を同時に動かす方法論が共有されない
ビジネスリスクとなりうる
競争上の不利益
硬直化する
解決方法
技術的側面と社会、組織的な側面を同時に動かす必要がある
なぜ返済できないのか
技術負債をドラゴンに例える
全貌が見えない
どこから手を出したらいいかわからない
ドラゴンは5つの層にわかれる
技術層
トレードオフ層
システム層
エコシステム(利害関係)層
やっかいな問題(正しい、正しくないではなく良し悪しで判断される)層
放置された課題は組織を蝕む
レガシー => 開発速度が下がる => 優秀な人が流出 => さらなる品質低下
質、速度、安全、幸福のバランスが崩れると悪いサイクルに陥る
よくある罠:技術で解決できるという思い込み
マイクロサービスにすれば解決する?
銀の弾丸ではない
当然場合による
正しい問い:独立してデプロイ・進化できる単位は?
ドメイン境界やチーム構造、デプロイ戦略等が絡む
コンウェイの法則を逆手に取る
無視してアーキテクチャを変えると組織と摩擦が生まれ
逆コンウェイ戦略
アーキテクチャと組織を同時に整理する
問題整理
技術、組織、学習文化の3軸で問題を捉え直す
技術だけでは解けない
組織が構造的に変われない
変化を好まない人もいる
AMETという触媒で組織能力を引き出す
構造的無能化
成功すると分業化、ルーティン化が進む
思考の幅と質が制限される
イノベーションのジレンマ
3つの症状
断片化
不完全化
表層化
3つの症状は連鎖する
学び直す触媒:AMET
AMETは自律を促すイネーブリングチーム
ファシリテーションが中心
イベントストーミングなどの手法を根付かせる
支援の質は支援が不要になる速さ
ライフサイクル
準備
問題点の確認、ステークホルダーの信頼関係構築
キックスタート
伴走
撤退
メンバー構成
ドメインエキスパート、テックリード、ファシリテーターの3役が必須
責務
動かす
キックスタート
モメンタム維持
設計促進
根付かせる
持続的変化
ビジョン共有
学習共有
実践
EventStorming
正確さではなく学びを促す手法
ユーザーの行動を付箋に貼る
批判しない
問題箇所の付箋の色を変更する
2時間以上やらない
技術者だけの会議にしない
Wardley Mapping
正しいものを作っているかを考える
4つの段階にわけていく
Genesis
Custom
Product
Commodity
成功
難しいのは着手と勢いの維持
成功パターン
社内チームが手法を自分のものにする
AMETがいなくても自発的に開催
Core Domain Chartで痛みを可視化する
自社のドメインの差別化度と複雑度の2軸を考える
経営層が理解するのはビジネスリスクだけ
エンジニア側の言葉をビジネス的な単語に変換する
翻訳の道具がCore Domain Chart
縦軸:差別化度 - 優位性への貢献
横軸:複雑性 - 技術的・ビジネス的な複雑度
象限への判断
高差別化、高複雑度
低差別化、高複雑度
低差別化、低複雑度
なんのために技術投資するか
顧客は「片付けるべきジョブのためにプロダクトを買う」
技術的な複雑度やモダン性は顧客の価値には直接影響しない
効率化には理論的に上限があるので、効率化で浮いた分をジョブの発見に向かう
AIによって解くべき課題の発見が残る
その課題を経営層と話していくことが重要
翻訳とは構造を変えること
技術的な負債がある => ビジネス的にリスクがある、だと本質的ではない
言語、プロセス、データで境界を引く
ビジネス視点の境界
言語境界:同じ単語が違う意味を持つ場所でわける
ビジネスプロセスの境界:異なるライフサイクル
データの境界
チームと変更頻度でEMが境界を引く
変更頻度の境界:変更速度が異なる場所で分ける
バリューストリームをから小さく始める
ミッション・パーパスは戦略ではない
克服可能な最重要ポイントを見極め、解決策を考え抜け
何を単位に実行するか
成果がビジネス指標で測定でき、失敗範囲が限定化されている
バリューストリームで検証
バリューストリームとは
価値の発見、定義、デプロイ、検証のサイクルを回していく
4つの特性
ドメインに整合
チームに権限がある
成果が測定される
ソフトウェアが独立デプロイ可能
パイロットとして小さく成功させやすいプロジェクトを最初に進める
パイロット選定の4つの条件
ビジネスインパクト
チームの意欲(これだけが必須)
技術的に切り出しやすい
学習価値
3-6ヶ月の学習サイクルを実行する
段階的に置き換える
各ステップで学べることを重視する
誰がどう動くか
小さく長寿命のチームが成果を出す
意思決定の最小単位
チームは固定ではなく意図的に再編する
不変ではない
変化を拒む摩擦を理解する
惰性
対応:小さな実験で始める
労力
ペアリングで負荷を分散する
感情
レガシーを尊重する
心理的反発
選択肢を与える
リーダーシップの本気度の問い
失敗から学ぶ
コンウェイの法則の逆流
失敗は3つの転換点の裏返し