発散なのか拡散なのか
アイディアを、発散/拡散思考して、収束思考 convergence thinking する
よくある言い回し
発散/拡散と、収束との間には、呻きゾーン(groan zone)が多くの場合起こる
思考手順、あるいは、グループにおける意思決定のステップ型の1つ
発散/拡散 divergent の意味を辞書でひく
広辞苑.icon
発散
① 外へ発し散ること。また、外へ発し散らすこと。「熱を—する」「ストレスを—する」
② 〔理〕光線が末広がりになっていること。 ↔︎ 収束
③ 〔数〕無限数列・無限級数、積分の値などが収束しないこと。
拡散
① ひろがり散ること。「核—防止」
② 〔理〕(diffusion) 物質の濃度が場所によって異なるとき、時間と共に濃度が一様になる現象。よく混合されていない塩水も、時間がたてば濃度が一様になる類。
英英辞書
divergence (adj)
the situation in which two things become different
divergent (n)
different or becoming different from something else
語源としては、
反対方向に動く、または向ける行為または状態のこと
dis 離れて + vergere 曲がる、向きを変える
寄り道して、 diversity (多様性) の語源も調べた ラテン語の矛盾や不一致の意味。二次的に、違いや多様性の意味。
diversus さまざまな方へ向かった
14世紀後半ごろは英語としてはネガティブな意味だった
divergent、光がレンズを通して広がる様子を指した言葉と思われる
広辞苑の〔理〕は物理学用語。
↔︎ 収束ともある。
その点で、divergence thinkingは「発散思考」の訳が正しそうではある。
浮かぶ言葉の数やアイディア数が広がるイメージに、光の広がる具合をメタファに採用したのであろう。
diffusion としての「拡散」は、divergence thinking の訳語としては不適当に思える。
むしろ、diffusion は収束した状況に近いように思えるので面白いterang.icon
よく混合されていないアイディアや意見が、時間と共に、一様になる現象ってある気がする。
一方で、「発散」は広辞苑では、②よりも数字の若い①の意味で、外へが気にかかる。
自己開示を「発散」と捉えるならば、「自己の外へ」との意味は通りそう。 既成事実の外へ、固定観念の外へという見方もできるかもしれないが、
「拡散」の①の意味として、思考が(外へではなく単に)ひろがり散ることと、divergence thinking を表せるような気もする。