メンバーに飽きたからグループを変える提案
知り合いwho.iconがファシリテーターを務めるワークショップに参加してちょっと面白いことがあった
全体で2時間30分のワークショップ
参加者は5名ずつ3グループに分かれた計15名
terang.iconが座ったグループのメンバーはほぼ初対面の方々
1時間30分ほどプログラムが進んだあたりで
「グループメンバーの変更をしませんか?」というwho.iconからの促しがあった
個人的にはグループ変更は別に構わないterang.icon
けれど、前半の1時間30分で、お互いのセンシティブな打ち明け話のようなものも、まあまあしていたので、後半もこのメンバーでいたいなあという気持ちが少し自分にはあった。
けれども、他のテーブルのメンバーとも知り合いたいのでグループシャッフルがあっても、まあそれはそれでいいかもしれないな、という心持ちでいた。
どちらかといえばこのままのグループでもいいが、グループ変更も吝かではないような感覚。
このときのwho.iconの言葉
「今のメンバーにも飽きてきたんではないですか?」
思わず反射的に言葉が口から飛び出してしまったterang.icon
「いや、まったく飽きてきてませんよ」
who.iconは、terang.iconの知人なので思わず深い意図もなくポンッと飽きという言葉がおそらく出たのだろう。
けれども、決して飽きてきてはいない。初対面だったし、なんだったらもっともっと語らっていたいメンバーであった。
terang.iconとは別の他グループも、よい空気であったのでおそらく同じだったと思われる。
ここでグループ変更に同意してしまうと、我々はメンバーに飽きてきたから、グループを変えて新たなメンバーの話すことになってしまう。
それには同意できない。
単に揚げ足とり的な指摘をしてしまったのかもしれない。
who.iconが、「あなたたち、飽きてきたでしょう!」という確信を持って、そのように発話したわけではないこともわかる。
「自分who.iconから見える席の座り方に、自分who.iconがちょっと飽きたので、グループ変えをしませんか?」とでも言ってくれれば、そのwho.iconの全身から溢れるポジティブな巻き込み力が魅力さから、terang.iconはグループ変更になんの違和感もなく同意していたと思う。
気分として、グループ変えしたくないな、という気持ちであったとしても。
進行をいたずらに妨げてまで、グループ変えを拒みたいわけではないのだから。
このような事態はどうすれば防げたのだろう?
ねらいの準備が不足していた点が要因だと思うterang.icon このタイミングでグループ変えを参加者に提案するねらいはなんだったのか? 今回のケースでのねらいはいくつも考えらえるが、例えば 「今のグループでもこの1時間30分盛り上がりましたが、他のメンバーとも知り合う機会も今日は作っていただきたいので、後半はグループ変えをしませんか」と告げる、などよさそうだ。
当日その場面で、スムーズに適切なねらいを告げられるファシリテーターはそういない。 自分terang.iconだって自信がない
何か、ヘンテコな自分の穿った見方や思ってもみないことが口から飛び出すかもしれない
「グループ変えをする」という本当にミクロな、小さな、一瞬のワークにおいてさえ、ねらいの文章を予め準備する必要がある。 かつてこんなことも書いたterang.icon
ファシリテーターが《ねらい》を参加者にきちんと提示する(あるいは提示できるように準備しておく)ということは、ファシリテーターの誠実性を示す。ファシリテーターは教師や講師ではない。「こういう《ねらい》で次の時間を一緒に過ごしませんか」と参加者に提案する。参加者は、そのファシリテーターからの提案に必ずしも乗る必要はない。提案内容を吟味しその時間の過ごし方でよいかどうか考えればよいのだ。一方で、ファシリテーターは事前に「その《ねらい》であれば、きっと参加者は各々の内発的動機から、このテーマと進め方の両方に納得して取り組んでくれるだろう。」と想定している。ここにファシリテーターと参加者の対峙がある。
今回、who.iconがterang.iconとも付き合いの長い関係であったから、「いや、まったく飽きてきてませんよ」という反応をterang.iconがさせてもらうことができたのだと思う。
ファシリテーターが、terang.iconのまったく知らない方であれば、内心「ん?」と思ったとしても黙っていただろう。
「いや、まったく飽きてきてませんよ」と反応したあと、他の参加者の何人かも「そうだそうだ」と言っていた。
あるいは、本当に飽きていて早くグループを変えたいと思っていた方も、15人のこの場の参加者の中にはいたかもしれない。
いずれにせよ、有益なファシリテーターと参加者の対峙を、参加者の立場から構成することに、今回は貢献できたと思う。
心残りが少しあるとすれば、今回のこのプロセスに関して、who.iconと振り返りの時間を十分にもてない点である。そのうちその機会も訪れるといいな。