『読んでいない本について堂々と語る方法』
https://gyazo.com/06907e7411eb1692497fc763be230c58 amazon ピエール・バイヤール Pierre Bayard 著, 2007.
大浦康介 訳
terang.iconはこの機会に読み直したので通読は2回目。
以下は読書会中のメモより一部抜粋。
全体を通して構造主義っぽさをずっと感じながら読んだ。terang.icon あるいは、記号と意味の関係でいえば、ソシュールではないか。 本書のタイトルでいう本というのは小説などの文学作品のことだけに限るのだろうか?
p.249で3つのカテゴリーが出てくる
でもじゃあ、この『読んでいない本について堂々と語る方法』.icon自体はなんなのさ?これは文学作品なのか?
哲学書なんじゃないか。
『読んでいない本について堂々と語る方法』.iconの続編があるらしい
タイトルを直訳すると、『行ったことのない場所について堂々と語る方法』だって笑
訳者解説にもあるが、
『読んでいない本について堂々と語る方法』.iconは、本に限らずあらゆる情報に対して堂々と語れる点を説くのがポイント
例えば
観たことのない映画について堂々と語る
試したことのないビジネスメソッドについて堂々と語る
読書の意義は忘れること
その本を認識した時点で、もう読み終わっている
そこから忘れるという離人症になるような行為が精神分析的に作用する。それが読書の意義。 まるでCosense.iconで文字や文章をこねたり書いたりする行為っぽさを感じるterang.icon 耳の聞こえない者どうしの対話
両陣営の〈図書館〉が一致しない以上、それを一致させようとする試みは不可避的に緊張を生み出す。
III章一節、
と、こうして言及することが屈辱的な感じがするterang.icon*3
この章で出てくる屈辱ゲームの構造
つまり終身在職権を剥奪されるような行為
p.235
〈他者〉は知っていると考える習慣を断ち切ることは—この場合〈他者〉とは自分自身のことでもあるが—、書物について、それを読んでいるいないにかからわず、よい条件のもとで語るための最重要の条件のひとつである。
〈他者〉は読んでいる、だから自分より多くのことを知っているを断ち切る
自分はかつてこの本を読んだ(この漫才を見た、このボードゲームを遊んだ)、(だから内容をよく知っている)を断ち切る
忘却を考慮に入れないし、創造の契機を見逃すことにもなる
III章四節、
芸術家と同じくらい批評家も芸術を創造しているというのは、要はXTwitter.iconの引用RTだなあterang.icon 2007年に出てこの本が出て世界で評価されたという事象が面白い
その潮流に乗れた感
だから今読むと、物自体への辿り着かなさといった本質的な部分は今のこの2024年にも言えるだろうが、触媒となっている書物観はちょっと時代から外れてきている感じがある
素材は素晴らしいが、味付けは古臭い料理みたいな感じ
そして日本語版の文庫版の発売が2016年の8月。同年11月がトランプの最初の当選なので、ポピュリズム前夜の最も輝いていたころの言説という感じがこの本『読んでいない本について堂々と語る方法』.iconにはあって、今読むととても面白いterang.icon*2