心をぞわりなきものと思ひぬる見るものからや恋しかるべき
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心は理屈に合わないものだとどうしても思ってしまいます。もしそうでなければ、あなたとこうして逢っているのに恋しいなんてことがあるでしょうか。いいえ、そんなことはないはずですから。
「見るものから」は「見る+ものから」。「見る」は上二段動詞「見る」の連体形。「ものから」はここでは逆接の確定条件を表す接続助詞で「……にもかかわらず」。「ものから」は連体形に接続する。 心というものは理屈で割り切れないと思ってしまいます。それはなぜかというと……もしも心が理屈通りに動くものならば、あなたとこうして逢っているのに恋しいなどと思うことがありますか。ないはずですよね。でも実際は、あなたとこうして逢っているのにあなたのことが恋しくてしかたがありません。ですから、心は理屈に合わないんですよ。ああ、あなたのことが恋しくて恋しくてしょうがない!
こころをぞ わりなきものと おもひぬる みるものからや こひしかるべき
こころをぞ わりなきものと おもいぬる みるものからや こいしかるべき