be noisy -Ver.2019-2022
本作は、コロナ禍黎明期の 2020 年 2 月、SNS 上で拡散されたトイレットペーパーをめぐるデマに関する書き込みを、実際の情報伝達手段として用いられるモー ルス信号に変換し、音楽作品として成立させることを通じ、高度情報化社会に生きる我々は、充溢する情報にいかに対峙することができるのかを問う。
また本作は、データを唯一で絶対的な指示書として制作されている。 データソニフィケーション作品ではしばしば、データに基づき音楽的各要素を決定した後、「作品化」のために、様々なアレンジを行う。しかしデータの可聴化 は本来、データが持つ情報を正確に受け取ってもらうべきものであると作者は考える。魅力的なサウンドで奏でられたそれらは、データの特性を知らせるもの ではなく、感覚器官に対する一時的な快楽のための芸術作品としてのみの鑑賞されてしまう。そのような問題意識をもとに制作された本作は、純音からなるモー ルス信号によってのみ制作されることにより、直感的にデータを音楽として鑑賞する機会を通し、鑑賞者間で言葉、対話や SNS をはじめとした様々なメディア を通してのコニュニケーションについて再考する議論の萌芽となることを願う。
https://youtu.be/L7qSTzUxd-Y
----------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------
be noisy -Ver.2019-2022 (2023) size: 09:29
material: LogicPro X, Max8, Twitter
Award: Web Audio Conference’24 入選