差異をみる - 箱に関するタスクについて 開封 / 解体 / まとめる
本作では日常的な行為に現れる「個人の差異」に着目する。今回は特に「段ボール箱」というサイズや素材が規格化された素材を、出展者、および鑑賞者が開封・解体・まとめるまでのタスクから個人の差異を観察する。
展覧会「unboxing」にも通ずる「箱」は、現代において過剰梱包、外的要因からの防衛、規格化・同質化などの様々な意味をはらむ。今回は特に、規格化・同質化に焦点を当てる。「同質化」とは、「個人の主体性の基礎をなす相違を抑圧すること」* ⑴を示し、大きな利益や価値を追求し続ける現代社会に潜む。この「同質化の暴力」は、わたしがわたしであり、あなたがあなたであることすらも脅かされることが危惧され、本作で焦点をあてる各個人に生じる差異すらも許容されない社会の誕生が危ぶまれるのではないだろうか。本作では、同質化された「段ボール箱」を各個人の方法、手癖によって解体することによって、「同質化の暴力」について考えることを試みる。
また、本来、芸術作品を守る素材である「段ボール箱」を展示、さらには解体し、処分することを作品として実践することで、芸術作品の不変性、または永続性が揺らぐことについて再考する側面も含む。
*⑴ Nicolas Bourriaud(1998). Relational Aesthetic. Les presses du réel.  
( ニコラ・ブリオー. 辻憲行( 訳) (2024). 関係性の美学 水声社)
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#Art #participatoryart
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差異をみる - 箱に関するタスクについて 開封 / 解体 / まとめる(2025) -for Participatory installation
material: 段ボール箱, ガムテープ, ビニール紐, モニター, プロジェクタ
exhibition: #unboxing ーある会議室を、イメージを、創作を、内からひらく展示会