教育ビックデータが気持ち悪いのは、なんでだろう?
ICT 環境を基盤とした先端技術・教育ビッグデータが活用される教育現場
(202X 年 未来のイメージ・スナップショット)
校門のセンサで感知する登校時間が日に日に遅くなっている子供がいれば注意情報として自動的に通知されたりして、これまでなかなか気が付くことができなかった情報を参考に指導することができる。
これ彼氏・彼女の関係でやっても気持ち悪いやつじゃない?
このような「個人データ」の使い方を、文科省が無邪気に想定しちゃってて心配になってしまいました。正直夢見がちです。
中国ではすでにあるようですが、一人ひとりカメラで撮影して授業中の集中度とか寝てないかとか判定するシステムとかも喜んで入れちゃいそうな勢い。
個人情報やそれを拡張したもっと広い意味での「個人データ」の利用に関して、まったく同じデータであっても、それを利用する人や範囲によって意味が変わってきます。
前出の例であれば、自分の登校時間の推移をその子自身が見て内省するのであればよさそうです。
でも、管理側が使い始めた途端、なんとも言えない気持ち悪さがこみ上げてきます。
いろんなところにセンサーがついてたら、何のデータでどう評価されるかビクビクの毎日です。今よりさらに同調圧力の強まった学校になること間違いなし。まさにディストピアさながらの管理・監視社会ですね。
同じデータなのにその違いはどこから来るのでしょうか?
GDPRの基本原則にもあるような「自分の個人データは自分がコントロールできる」状態では気持ち悪さは感じません。 例えば、IoT体重計が体重の変化をグラフ化してくれたり、Google Driveへファイルを保存したり。
IoT体重計の情報の場合
問題なし:自分しか見れない。
弱:匿名化された統計データが、健康管理の研究に使われたり、製品の宣伝に使われたり
中:体重の状態に合わせて、トレーナーからアドバイスが届く(サービス提供側はデータ見てる?)
強:Amazonを見たら、体重が増えて日にダイエット商品が出てきた。(なんで知ってるの。裏でつながってる?)
前出の教育ビックデータの場合
問題なし:自分の登校時間の推移がグラフになって自分で見える。
弱:匿名化された統計データが、学校の改善に生かされる。
強:登校時間が遅くなって来たら先生から指導が入る。(先生見てるの?ストーカー?((((;゚Д゚))))ガクガクブルブル)
個人データの種類にもよる
仕事に関係のない社員の体重のデータを、会社の上司が管理してたら気持ち悪すぎる。
でもパーソナルジムのトレーナーと能動的に情報共有してたら別に気持ち悪くない。
透過的に取られたデータか?
能動的に取られたデータより、透過的に取得された方がより気持ちが悪く感じます。
監視カメラや行動ログ、Web広告の追跡など。一種の盗撮に似た気持ち悪さがあるのかもしれません。
投稿時間のデータも、校門のセンサーで透過的に取得されていると気持ち悪いですが、カードキーをかざして解錠するタイプだったら少しマシに感じます。
Facebookの個人情報流出事件
サードパーティの性格診断テストアプリが、Facebookからデータを抜き取っていた。フレンドリストを突き合わせることで、そのアプリの利用者以外の情報もかなり取得できてたそう。
でも、ユーザーは利用許諾のダイアログに同意していた。しかし、その意味と共有される範囲を理解していなかった。といかできるはずもない。もちろんAPIの利用契約違反でもあったが、そういうものが作れたことだけでFacebookの責任が問われた。
そしてそのデータが大統領選挙に使われていたことが発覚して大問題に発展。
Amazon EchoやGoogle HomeやApple Siriが録音を他社へ送る
AI学習のための教師データ作成を人力でやってる関係で、生の音声を外注先へ送っている。
まとめ 個人データを扱う側として気をつけないといけないこと
個人データの所有権は、もちろんその個人にある。(子どもの場合は保護者も含まれるかもしれません)
自分のデータが誰にどの範囲で使われるのか直感的にあきらかにわかる必要がある。
利用規約やプライバシーポリシーに小さく書いてあるだけなのはバレたら結局問題になる。
教育特有
その使い方は、学習者のモチベーションを下げる方向にならないか?
どいういう思考をしていれば、気をつけられるのだろうか?