プンクトゥム
さて、問題は「プンクトゥム」です。想像上の「猿出没報道写真」を例とした場合に、「猿の変な形をした尻尾」とか、「猿をとらえようとする職員の変な色の服」にどうしても目が奪われてしまう…など、写真家が意図していない細部が「自分を突き刺す」ような感動を与えてくる、それがプンクトゥムなのだとバルトは述べています。そういう感動を与える写真を高く評価するのが『明るい部屋』で展開される主張です。そして、プンクトゥムはかなり個人的な感動であり、本のなかでバルトは、「幼いころの母親の写真」とか、「黒人女性が履いている靴」とか、「少年の歯並びの悪い歯」などを例としてあげていますが、それが共有不可能なものであることも認めています。https://popeyemagazine.jp/post-108524/