プンクトゥム
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プンクトゥムは、バルトによると撮影者の意図によって生まれるものではないと言われています。偶然によって生まれるものであり、その個人によって生まれるか生まれないかはわからない写真を見たときに発生する激しい感情や感動であるとされています。https://www.lifestudio.jp/studio/tokorozawa/education/148491
バルトによれば「ストゥディウム」は一般的、科学的関心を意味し、文化的にコード化された写真受容。それに対して「プンクトゥム」は一般的な概念の体系を揺さぶり、それを破壊しにやってくるものでコード化不可能な細部を発見してしまうような経験である。https://artscape.jp/artword/6162/
さて、問題は「プンクトゥム」です。想像上の「猿出没報道写真」を例とした場合に、「猿の変な形をした尻尾」とか、「猿をとらえようとする職員の変な色の服」にどうしても目が奪われてしまう…など、写真家が意図していない細部が「自分を突き刺す」ような感動を与えてくる、それがプンクトゥムなのだとバルトは述べています。そういう感動を与える写真を高く評価するのが『明るい部屋』で展開される主張です。そして、プンクトゥムはかなり個人的な感動であり、本のなかでバルトは、「幼いころの母親の写真」とか、「黒人女性が履いている靴」とか、「少年の歯並びの悪い歯」などを例としてあげていますが、それが共有不可能なものであることも認めています。https://popeyemagazine.jp/post-108524/