J-POPと権威
「Jポップって言い張り続けて有無を言わさない、みたいな姿勢はみんなあった気がします」
「ラベリングされたくないからむしろJポップって言ってる部分もあるかも」
「Jポップという領域の「これありなんだ」みたいなところを拡張して、最終的に拡張したその場所もJポップになる、みたいな気持ちがあるかもしれない」
釈迦坊主 - Tokyo Android
何がPop?俺は
Rock Starって
自称するPop Star
サブカルちゃうぞ、俺はRap Star
沙輔 もう一つ影響をあげると、ジェーン・リムーバーという方がDLTZK名義でダリアコアっていうジャンル……本人が否定して今はハイパーフリップっていう呼ばれ方をしている音楽があって、いろいろな欧米のヒット曲を同時に流して曲を作る手法なんですけど、SoundCloud(以下、サンクラ)にアップされていたんです。ハイパーフリップのほかに、ジャージー・クラブとかも参考にしてます。そういうジャンル横断的なものに目覚めたきっかけはベースメント・ジャックスですね。
ケンカイ ベースメント・ジャックスはクラブ・ミュージックとしてちゃんと成り立ってるにもかかわらず呪縛から解放されていて、俺も衝撃を受けた。“こんなにポップでいいんだ”みたいにも思えたし。
沙輔 ポップだし、ロックな気がするんですよね。
ケンカイ ブラック・ミュージックの要素とかも入ってるけれど、根本的にはパンクだよね。
沙輔 パンクの乱暴さが若者に刺激になるわけじゃないですか。若い子が聴いてるのって今はもう歌詞とかじゃなくて、リズムとか音なんですって。今まで音楽家は「みんな歌詞しか聴いてないから」が文句だったのに今、逆が起こっている。だから、全体の雰囲気で聴いてるリスナーにMADを届けてみようと。
ーポピュラー音楽の持つ要素を分解し再構築するにあたり、ボカロとMAD的な表現で誇張していく感じ……?
沙輔 あ、そうですね。ポップスの誇張モノマネをやってるみたいな。誇張J-POP。
ケンカイ ハリウッドザコシショウだったのか……。
沙輔 元々の名義でJ-POPに寄り添おうとしてて、そのアプローチに限界を感じていたので、一旦諦めて“自分ができることで、どれだけJ-POPを誇張してやるか”みたいな方向に変えたんですよ。
ベースメント・ジャックスとかは、当時、クラブ・ミュージックとして認識されましたけど、そのときのポップスの誇張をしていたんじゃないかって僕は思ってて。全部サビかと思ったら、急に終わる直前くらいにBメロみたいなところが来るみたいな構成で。それが新しいジャンルになったみたいな。
ケンカイ “作る前に、頭の中で設計図を作ってないんだな”っていう感じがするよね。「Good Luck」なんてAPPLE Logicのメトロノームの音そのまま入れたりしているし、「Red Alert」とか明らかに声が割れ過ぎてるところとかあるけど、音楽の愉悦性が突き詰められていたらそれで良いって感じなんですよ。それは今の若いリスナーが求めていることとリンクしていて、間違いなくTikTok、YouTubeショートの影響だよね。
ー確かにTikTok、YouTubeショート動画の編集って、MADの気持ちいいとこだけ集める感覚とリンクしている気がしますね。
ケンカイ パンチラインが欲しいみたいなね。
沙輔 やっぱりMADの感覚ってTikTokとかにもあるんですよね。「人マニア」は著作権をクリアしてるから、合法のドラックみたいな感じがあると思います。音MADは下手したら、普通のポップスより魅力があるんじゃないかな?
ケンカイ この話を通して「人マニア」は、音MADのポップ化って言われるのは、すげえ納得いく。
旧来的な「J-POPvsインターネット」構図
この流れってめちゃくちゃ自然で、ボーカロイドを始めインターネットで芽吹いたポップカルチャーはレーベルの権威性と追随するJPOPシーンの解体を目論んでいたはずなんですね だからその権威性とこういったインターネットのポピュラーが対立するのはごく自然的といえます quote:
映画業界にしろ音楽業界にしろ、とりあえずアニメを格下扱いして高尚ぶっててマジで糞。
我々はそういった前時代の権威性なんていうものにポピュラーシーンをしばりつけておく必要はないんですよ 解放のために音楽をやりましょう
乗り越えた過去の話を再生産していないか?