滴シリーズ秀歌30_ぎた次案
#秀歌30 #ガイドライン
仏法詩集感あり。縦書きで鑑賞するのに向く。
恋愛・人間味の要素は少なめで、哲学・法・命の描写に寄っているので、読み手によってはやや硬質な印象を持つかも。
Ⅰ. 光と宇宙(目覚め・啓示の章)
滴塵001 叢雲の晴れて三五の月影は もとより空に在りしとぞ知る
雲が晴れる瞬間に、心も自然と冴える。存在の本質に気づく目覚め。
滴塵002 萌えいづるいのちきらめく虹の端は 嵐の後の曼荼羅世界
苦難の後に訪れる生命の輝きと世界の秩序。希望と再生。
滴塵003 明鏡の月のごとなる我が心(むね)に 金色の阿字 耀きて立つ
心の中に仏の光が映る。内なる静寂と覚醒。
滴塵015  念ずれば花ぞ開くと誰か言う 竹は百年(ももとせ)優曇華三千年(みちとせ)
長い時をかけた努力や信仰が、やがて花となって現れる。
滴塵019 ぬばたまの闇に浮かぶは白き月 闇深きこそ冴えわたるかな
闇を知ることで光の価値がわかる。人生の陰影と月光の比喩。
滴塵030 明けぬ闇 光ひとすじ差し入りて 花はひらかん 高野のみやま
苦難の中にも、確かな希望が花を咲かせる瞬間。
Ⅱ. 命と今(生死・刹那の意識)
滴塵031 うたかたの いのちはあつく 燃ゆれども まなざし涼しく 見つめるほとけ
はかない命の熱と、仏の静かな慈愛との対比。
新滴084  刹那ゆえ輝く命を知りもせで 明日(あした)明後日(あさて)を憂う愚かさ
今を生きる大切さ。未来を憂う無意味さへの警鐘。
新滴085  今ここに尽きなんとする炎かな 最後の一耀ほとけの計らい
最期の瞬間にも仏の慈悲が働く、命の尊さ。
露滴015 生まれきて死にゆく命のためならば 明日と言わず今手を伸ばさん
行動の原点は「今」。命への尽力は先送りにできない。
露滴082 昨日は去り明日は来ませぬ今日この日 憂しと嬉しと四六時なりけり
日々の刹那に喜びと憂いが混在する人生のリアル。
露滴084 有難き命なりけりこの心(むね)の 鼓ぞ響く宇宙(そら)の果てまで
自己の命の鼓動が宇宙と響き合う、深い生命感覚。
Ⅲ. 浄土と悟り(修行・浄化の章)
宝滴059 今ここから 浄土へ向かわん 今ここが 浄土と知って なお歩みゆく
浄土は遠くにあるのではなく、今この瞬間にあるという悟り。
露滴064 生き死にを超えて進まん悟りへの 道ぞ険しき優曇華の花
悟りへの道は困難だが、その先には貴重な花が待つ。
新滴057 みめぐみは 降りしきるかな 燦燦と 五智の芽吹きて 花ぞ開かん
仏の恵みが絶え間なく注がれ、智慧が芽吹き花開く。
照滴043 骨と爪残して虹と成りぬらん 塵のまにまに 法の花咲く
身体の滅びも法の花には影響せず、無常の中に咲く永遠。
露滴041 花しぼみ草はしおれて枯れぬれど 法の花こそ永遠に散らざれ
一切の生は移ろいゆくが、法の花は不滅。
Ⅳ. 法音と祈り(実践・経典・法界)
滴塵041 我が紡ぐ言の葉輝き虚空(そら)に消ゆ めでたかりけり仏の御名(みな)は
経の言葉が虚空に響き、仏の力となる様。
照滴044 百万の悪業須臾に消しぬらん ただ一遍の光明真言
信心一つで罪業も浄化される力の象徴。
照滴048 わだつみに 沈みし経の 文字文字が ほとけとなりて 光泡立つ
経典の文字の力で、世界が光で満たされる。
照滴051 わが心(むね)の 仏の種に 水やらば 芽吹き繁りて 花も咲くなり
内なる信心に水をやれば、悟りの花が咲く。
照滴052 朝勤行 夢見心地に坐すわれの 頬をなでるは仏の息吹
日常の勤行の中で、静かに仏の存在を感じる。
宝滴005 心(むね)に染む 切々経(ぜぜきょう)の音 滴滴と 一音一仏 宇宙(そら)を揺るがす
経の一音が宇宙にまで響き、全てを揺さぶる力。
宝滴053 形無く 色無く音無く 光無く 香りも無けれど 満ちる法音
五感を超えた法の音が、空間全体を満たす。
露滴026 祈りとは我が身を炙ることなりけり 痛みを堪え 灰になるまで
真の祈りは自己犠牲と試練を伴うことを示す。
露滴033 雨上がり雲の端より日の射して み光嬉しや如来の微笑み
修行の後に現れる如来の慈悲の光。
露滴098 暗闇を金に切り裂く稲妻の 刹那の後に響く法声
突然の啓示、法の力が暗闇を切り裂く瞬間。
露滴102 千万の声が重なる秋の野は  法界宮殿菩薩の楽団
万物の声が一体となり、宇宙の調和を奏でる。
Ⅴ. 浄土の遠景・微細(宇宙・無常の章)
露滴088 西の方十万億土は果てもなき 遠きにありかまつ毛にありか(空海_秘鍵より)
広大な浄土が遠くにあるようで、実は至近の世界にも宿る。
露滴089 蚊のまつ毛の先に止まれる焦螟の その毛の先に浄土ありけり(列子_湯問)
極微の存在にも浄土は広がる、細部への注意。
露滴091 真砂なす金の浄土は安気なし 苫屋の一粥これぞ極楽
大宇宙の荘厳さと、日常の小さな幸福の対比。
Ⅵ. 恋愛・情愛(特別章)
露滴060 君ゆえに惜しからざりし命かな 八峯の椿咲かで落つとも
恋愛的献身と命の覚悟。八峯の椿は愛と無常の象徴。
Ⅶ. 総括・仏性(自己・覚醒)
露滴117 ありがたや胸の鼓動は説法なり さては我が身も仏なるかな
最後に自己の仏性に気づく、総合的な悟りの締め。
💡 ストーリー展開イメージ:
光と啓示で心を目覚めさせる
命と今に立ち返り、刹那を生きる
浄土と悟りへの歩みを描く
法音と祈りで世界を感じる
宇宙・無常を俯瞰する
恋愛・愛の覚悟で感情の深みを表現
自己の仏性に至り、全体を総括