電光の須臾の光に照らされし さとりのおもかげ 恋いて狂おし(菩提行経1_5)
照滴050
本文
電光の須臾の光に照らされし さとりのおもかげ 恋いて狂おし(菩提行経1_5)
形式
#短歌
カテゴリ
#8.比喩・諷刺・諧謔・引用
ラベル
#悟り #光 #自然現象 #比喩 #引用
キーワード
#須臾 #電光 #悟りの影 #恋 #瞬間 #菩提行経
要点
一瞬の電光に照らされたかのように悟りが垣間見え、心を激しく動かす様を表現。
現代語訳
電光のように一瞬の光に照らされる悟りの影。その瞬間から、恋のように狂おしく心が悟りを求める。
注釈
須臾:非常に短い時間
おもかげ:影、姿、仏性
菩提行経:寂天(シャーンティデーヴァ)の著作。菩薩行経とも。
解説
悟りが垣間見えた瞬間の鮮烈さを恋心の高まりに例え、心象と比喩で描く短歌。菩提行経からの引用も取り入れ、仏教的体験と人間的感情を融合。
深掘り_嵯峨
悟りへの激しい情熱を、恋愛の狂おしさに喩えて表現した、この歌集の重要な一首です。
悟りは、「電光の須臾の光」のように一瞬で儚いが、その「おもかげ」を見た者は、それを再び求めずにはいられないという、激しい希求に囚われます。真理への追求が、世俗の愛を超えるほどの狂おしい情熱となっていることを示し、この歌群に流れる情愛と求道の融合というテーマを、極限まで高めて表現しています。