銀鼠の空の彼方の高野山 静謐の室 大師まします
照滴029
本文
銀鼠の空の彼方の高野山 静謐の室 大師まします
形式
#短歌
カテゴリ
#3.信仰・信心
ラベル
#高野山 #空 #密教 #精神
キーワード
#銀鼠の空 #高野山 #大師 #静謐 #室
要点
高野山の静かな空間に、弘法大師の存在を感じる情景。
現代語訳
銀鼠色の空の彼方にある高野山。静かな室には大師がいらっしゃる。
注釈
銀鼠の空:冬や薄明かりの空色。曇りや霧、あるいは夜明け前の静かで冷たい空の色。
高野山:真言宗の聖地。修行と悟りの象徴。
静謐の室:静寂が満ちた部屋。修行の場、あるいは大師の瞑想の境地。
大師まします: 弘法大師(空海)が今もなお入定されている(生きている)と信じられている状態。
解説
精神的な信仰心を、自然と修行の場の描写を通じて表現。静謐な空間は心の落ち着きを象徴する。
深掘り_嵯峨
密教の聖地である高野山を舞台に、真理の不滅性を詠んだ歌です。
「銀鼠の空」が、厳格で静かな密教の世界観を象徴しています。その空の彼方にある「静謐の室」には、「大師まします」という、時間や死を超越した存在がいます。
この歌は、仏の教えが過去の遺物ではなく、今も現前として生きているという強烈な信仰を示しており、その不滅の真理が、厳かで静かな空間の中に凝縮されていることを伝えています。