耳に聴き 心に回す 梵音は 口より出でて 宇宙(そら)に響かん
照滴056
本文
耳に聴き 心に回す 梵音は 口より出でて 宇宙(そら)に響かん
形式
#短歌
カテゴリ
#10.精神・悟り・心象
ラベル
#真言 #密教 #悟り #宇宙 #精神
キーワード
#耳 #心 #梵音 #口 #宇宙
要点
梵音を耳で聴き、心月輪に巡らせることで宇宙に響かせる精神的体験。
現代語訳
耳で聴き、心月輪に巡らせる梵音は、口から発せられ、やがて宇宙に響くのだ。
注釈
梵音:サンスクリットの真言や音の力
宇宙に響く:心の浄化によって仏法が普遍的広がる
※真言念誦の修行の観想
解説
耳で聴き、心で巡らせ、口から発する修行行為。梵音の響きが宇宙と心を繋ぐイメージを表現。
照滴057の「み口より 出でし梵音 頂(ちょう)に入り 心月輪を 奏で回すなり」と一対になり、一周する。
深掘り_嵯峨
真言(梵音)の循環と拡散を詠んだ歌です。梵音を「耳に聴き」(受容)、「心に回し」(観想、内化)た後、それが「口より出でて」(発声)、「宇宙に響く」(真理の拡散)という密教の三密修行と法界との合一のプロセスを示しています。個人の行為が宇宙全体を動かす力を持つという、信仰のダイナミズムを表現しています。