涙って浄化作用があるのかな 念仏なのかな坐禅なのかな
滴塵025
本文
涙って浄化作用があるのかな 念仏なのかな坐禅なのかな
形式 #自由詩
カテゴリ #9.日常・生活
ラベル #涙 #日常 #精神 #修行 #喜怒哀楽
キーワード #涙 #浄化 #念仏 #坐禅 #心身
要点
涙を流すことが心身の浄化になるのか、宗教的実践(念仏・坐禅)と重ねて考える。
現代語訳
涙には浄化作用があるのだろうか。涙の後は少しすっきりする。念仏の功徳なのだろうか。それとも坐禅の修行のようなものだろうか。
注釈
念仏・坐禅:仏教における代表的な修行や帰依の方法。
涙:感情の浄化作用。
浄化作用:煩悩や穢れを洗い流す力。
解説
日常的な行為である「涙」を宗教的・精神的実践と重ね合わせることで、日常と修行の境界を問い、自己観照の視点を提示する。自由詩形式により、読み手が考えながら心象を追体験できる構造となっている。
深掘り_嵯峨ほか
「涙」という極めて人間的、感情的な行為と、「念仏」「坐禅」という厳格な宗教的修行を並列させ、心の真の浄化がどこにあるのかを問いかけています。
泣くという行為は、感情の高ぶりによって起こりますが、ストレスの緩和といった生理的・心理的な役割も持ちます。
従来の仏教修行は、しばしば感情を抑制し、理性や集中力によって悟りを目指すものですが、この歌は、感情のほとばしり(涙)の中にこそ、理屈を超えた本質的な救いや魂の浄化があるのではないか、という切実な疑念と期待を表明しています。頭で理解する真理ではなく、五感や感情で感じる真理を求めている作者の姿勢がよく表れた一首です。