明鏡の月のごとなる我が心(むね)に 金色の阿字 耀きて立つ
滴塵003
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要点
現代語訳
注釈
明鏡:心が澄み切って真理を映す比喩。曇りなく澄み切った鏡や月。清らかな心の喩え。 耀きて立つ: 強く輝いて現れる。
解説
深掘り_嵯峨
これは密教の瞑想法を歌ったものです。「観想(かんそう)」によって、清らかな心(月)の中に、宇宙の真理そのものである「阿字」が内的に実現する様を描いています。 「我が心(むね)に」立つことで、仏と自己が一体となる即身成仏の境地が示唆されています。単に月を見るのではなく、その清らかな心こそが真理の器であるという、自己の内なる仏性を謳い上げる、力強い一首です。