探しても見つからないのか探すから 見つからないのか私の居場所
滴塵009
本文
探しても見つからないのか探すから 見つからないのか私の居場所
形式
#自由詩
カテゴリ
#1.仏法・教義
ラベル
#悟り #精神 #無常
キーワード
#探求 #居場所 #迷い #自己 #気づき
要点
居場所は探すから見つからず、探さなければ気づくかもしれない悟りの逆説。
現代語訳
探すから見つからないのか、それとも見つからないから探すのか、私の居場所はどこにあるのか。
注釈
探す:欲望・執着
見つからない:悟りや真理の逆説的表現
私の居場所: 物質的な場所ではなく、自己の存在意義、帰依先、または悟りの境地のメタファー。
解説
居場所や真理の探求を通して、禅的逆説を表現する自由詩。探すこと自体が執着となり、見つからない原因になるという視点は、悟りや内省の核心を示す。自由詩形式を採用することで、文節やリズムの制約を超え、探求の迷いや葛藤、心の揺れをそのまま描写できる。読者は自己の内面を重ね合わせ、探す行為と気づきの関係を直感的に理解できる構造になっている。
深掘り
これは禅問答のような、自己存在への根本的な問いです。「探し求める」という能動的な行為が、かえって真実の発見を妨げているのではないか?という深い洞察です。
仏教や禅の教えでは、悟りはしばしば「思考や探求を止めた瞬間に現れる」とされます。「居場所」は、もともと自分自身の内側にある(滴塵0001、003)のに、外側に求めているから見つからない、という本質的な矛盾を突いています。非常に哲学的な、この歌群の核となる問いの一つです。