手のひらに残る重みは 捨て終えた 布施の清さと信じる心
照滴014
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手のひらに残る重みは 捨て終えた 布施の清さと信じる心 形式
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要点
現代語訳
手のひらに残る重みは、捨て終えた布施の清らかさと、それを信じる心である。 注釈
捨て終えた:布施を行った後の状態。布施は喜捨とも言う。 布施の清さと信じる心: 見返りを求めない施しによって得られた清浄な心。 解説
深掘り_嵯峨
照滴013の布施の行為を、身体的な感覚を通して描写した歌です。物を「捨て終えた」後にも「重み」が残るという感覚は、物理的な消失と精神的な充足の対比です。 その「重み」は、喪失感ではなく、「布施の清さ」という善行の実感であり、功徳を積んだことへの揺るぎない確信(信じる心)を意味しています。心の充足感が物理的な重さとして感じられるという、深い精神的な体験を表現しています。