愛しめば愛しむほどに苦しきは 何故なのか わずらわしきかな
照滴010
本文
愛しめば愛しむほどに苦しきは 何故なのか わずらわしきかな
形式
#短歌
カテゴリ
#6.情愛・人間関係
ラベル
#恋愛 #精神
キーワード
#愛しむ #苦しみ #もどかしさ #感情 #悩み
要点
愛すればするほど苦しみが増す心理を描く。
現代語訳
愛すれば愛するほどに苦しくなるのは、なぜだろうか。何と煩わしいことか。
注釈
愛しめば愛しむほどに苦しきは: 愛が深まるほどに、失うことへの恐れや満たされない欲求が募り、苦痛が増すこと。
わずらわしき:煩悩や迷いが増した状態。煩わしい、厄介である。
解説
恋愛の心理的複雑さを描写。愛の深さと苦しみの相関を表現し、人間の感情の矛盾や葛藤を示す短歌。
深掘り_嵯峨
愛と苦しみが表裏一体であるという仏教的な真理(愛別離苦、求不得苦)を、切実な感情として問いかけています。
この歌は、「何故なのか」と問いながら、愛が「わずらわしい」、すなわち「煩悩」そのものであることを感情的に受け入れている状態を示しています。理性的な悟りと、止められない情念の間で揺れ動く、人間的な心の弱さが率直に描かれた一首です。