愛しめば愛しむほどに苦しきは 何故なのか わずらわしきかな
照滴010
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愛しめば愛しむほどに苦しきは 何故なのか わずらわしきかな 形式
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要点
現代語訳
愛すれば愛するほどに苦しくなるのは、なぜだろうか。何と煩わしいことか。
注釈
愛しめば愛しむほどに苦しきは: 愛が深まるほどに、失うことへの恐れや満たされない欲求が募り、苦痛が増すこと。 わずらわしき:煩悩や迷いが増した状態。煩わしい、厄介である。 解説
深掘り_嵯峨
この歌は、「何故なのか」と問いながら、愛が「わずらわしい」、すなわち「煩悩」そのものであることを感情的に受け入れている状態を示しています。理性的な悟りと、止められない情念の間で揺れ動く、人間的な心の弱さが率直に描かれた一首です。