土中三年蓄露眠 樹上三日化仙謳 君不知也世明明 冬到来則雪深深
照滴027
本文
土中三年蓄露眠
樹上三日化仙謳
君不知也世明明
冬到来則雪深深
形式
#漢詩風
カテゴリ
#8.比喩・諷刺・諧謔・引用
ラベル
#自然現象 #冬 #夏 #虫 #比喩
キーワード
#土中三年 #樹上三日 #蓄露眠 #化仙謳 #雪深深
要点
自然や時の流れの中での修行や成長を描く。
現代語訳
土の中で三年露を蓄え眠り、樹の上で三日仙人のように羽化して歌を謳う。土の中では、外の世界が明るいことを知らず、冬が来れば雪深いということも知らない。(そのように、俗世においては悟りの世界のことを知らないのだ)
注釈
蓄露眠:自然の中でじっと力を蓄える。露(生命の源)を蓄えて眠る。
化仙謳:仙人のように羽化し歌う
世明明:(土中にいた時は)世界が明るいということを知らない。また「明明」はセミの鳴き声「ミンミン」を模したもの
冬到来則雪深深:冬が来ると雪は深くなる。
解説
長い時間をかけた自然の摂理や修行のプロセスを描写。人生や修行の忍耐と無常を漢詩的形式で表現している。
深掘り_嵯峨
漢詩風の、命の生成と真理の隠顕を詠んだ歌です。前半二句は、蝉の生命のサイクル(地中での長い準備と、地上での短い生)を暗示しており、時間の無常と一瞬の成就の対比です。
後半二句は、世俗の無知と真理の厳しさを対比させています。「世は明明」(真理は明らか)であるにもかかわらず、人々は知らずに生き、やがて「冬到来」(試練、無常)が来て初めて真理の厳しさ(雪深深)を思い知る、という警句的なメッセージが込められています。