君想ひ夜半に見る月 朧月 猛る心を霑せ慈雨よ
照滴041
本文
君想ひ夜半に見る月 朧月 猛る心を霑せ慈雨よ
形式
#短歌
カテゴリ
#6.情愛・人間関係
ラベル
#恋愛 #月 #夜
キーワード
#君想う #夜半 #朧月 #心の猛り #慈雨
要点
夜の月を見ながら恋慕の心を鎮める祈りの表現。
現代語訳
夜半に君を思いながら見る朧月よ、激しい心を慈雨のように和らげてほしい。
注釈
朧月:霞がかった月、情緒的な夜の象徴
慈雨:恵みの雨、心を落ち着ける比喩
解説
恋慕の情を夜空の朧月と慈雨に託して表現。情愛の激しさを自然の穏やかさに和らげる禅的感覚を含む短歌。
深掘り_嵯峨
激しい情念と鎮静の祈りが交錯する歌です。「君想ひ」という燃えるような心は、「朧月」という不確かな光の下でさらに**「猛る」**、つまり制御不能な状態になっています。
そこで作者は、仏の慈悲を象徴する「慈雨」に、この煩悩の熱を潤し、鎮めてほしいと切に願っています。情熱を否定するのではなく、それを慈悲の力で浄化したいという、求道と情愛の葛藤が美しく描かれています。