優しさを求めてみれば遠いかな 与えよこれが得ることぞかし
照滴004
本文
優しさを求めてみれば遠いかな 与えよこれが得ることぞかし
形式
#短歌
カテゴリ
#6.情愛・人間関係
ラベル
#恋愛 #精神 #親愛 #悟り
キーワード
#求める #与える #愛情 #悟り #遠い
要点
優しさや愛は、求めても得られないが、与えることが得ることであることを示す。
現代語訳
優しさを欲しがっても遠く感じるものだ。与えることそのものが、受け取ることである。
注釈
与えよこれが得ることぞかし:与えることが受け取ることだという教え。
※勘違いしがちだが、「まず与えれば、次に受け取ることができる」というようなことではない。それでは受け取る(=報酬を得る)ための手段であって、布施とは見返りを求めない行為である。この場合、功徳を得ることは何かの対価ではない。与えることそのものが功徳なのだ。
解説
愛や優しさは自己中心的に求めるものではなく、与えることであるとの表現。仏教的な布施や実践の思想とも通じる。
深掘り_嵯峨
世俗の愛と仏教的な慈悲のあり方を対比させ、「与えること(布施)」の真理を説いた歌です。
人間はしばしば他者からの愛や優しさを「求める」(貪り)ますが、それでは欠乏感しか残りません。真に満たされる道は、自己を空(くう)にして、優しさを「与える」ことであるという、大乗仏教の布施の教えが背景にあります。能動的な行動こそが、心の豊かさをもたらすというメッセージです。